ブルガリア出身力士の歴代と現在は?琴欧洲・碧山の実績と親方人生を徹底比較
2026年10月現在、ブルガリア出身力士として日本の大相撲で大きな足跡を残した代表的な人物が、元大関・琴欧洲勝紀(ことおうしゅう・かつのり)と元関脇・碧山亘右(あおいやま・こうすけ)です。二人はともにブルガリアで生まれ、日本の土俵で三役以上に昇進した実力者。現役引退後も日本相撲協会に残り、親方として後進の育成に携わっています。
現在の二人は、琴欧洲が鳴戸勝紀として鳴戸部屋の師匠を務め、碧山が岩友亘右として春日野部屋に所属しています。最高位や幕内優勝歴、現役生活の長さには違いがありますが、二人の間には琴欧洲が碧山を相撲界に導いたという深い縁もあります。日本相撲協会の公式プロフィールや引退時の報道を基に、その経歴と2026年現在の活動を整理します。
📌 この記事の重要ポイントまとめ
歴代の代表的なブルガリア出身力士: 元大関・琴欧洲と元関脇・碧山が日本の幕内で活躍した。 現役時代の実績: 琴欧洲は幕内優勝1回、碧山は敢闘賞4回・技能賞1回・金星1個を記録した。 2026年現在: 琴欧洲は鳴戸部屋の師匠、碧山は岩友親方として春日野部屋で後進を指導している。
【2026年最新】ブルガリア出身力士の歴代と現在はどうなっている?
ブルガリア出身力士を語るうえで中心となるのが、琴欧洲と碧山の二人です。
琴欧洲は2000年代に大関まで昇進し、2008年には欧州出身力士として初めて幕内最高優勝を達成しました。その後、同じブルガリア出身の碧山が角界入りし、関脇まで昇進。二人はブルガリアと日本の相撲界を結ぶ存在になりました。
2026年10月現在、日本相撲協会の現役力士検索では、ブルガリア出身の現役力士は該当しません。二人とも現役を退いていますが、親方として相撲界に残っています。
ブルガリア出身の二人が角界に残した足跡

二人の出身地は、ブルガリア国内でも異なります。
- 琴欧洲:ブルガリア・ベリコタロノボ出身
- 碧山:ブルガリア・ヤンボル出身
琴欧洲は2002年11月場所に初土俵を踏み、2006年1月場所に大関へ昇進しました。一方、碧山は2009年7月場所に初土俵を踏み、2012年に新三役、2014年11月場所には新関脇となりました。
特に注目したいのは、碧山が琴欧洲の後輩にあたるだけでなく、琴欧洲自身が碧山の入門のきっかけをつくったことです。
碧山は来日前、ブルガリアでレスリングに取り組んでいました。2007年、帰国していた琴欧洲と出会い、相撲界への入門を勧められたことが、その後の力士人生につながっています。
【琴欧洲勝紀の経歴】大関昇進と2008年の幕内初優勝
現・鳴戸勝紀親方/鳴戸部屋師匠
幕内優勝1回・生涯537勝337敗63休
琴欧洲は1983年2月19日生まれ。ブルガリアのベリコタロノボ出身で、四股名は当初「琴欧州」、後に「琴欧洲」と表記されました。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、身長は202センチ、体重は155キロ。長身を生かした右四つと寄りを得意とし、懐の深さと力強い攻めで存在感を示しました。
大関まで駆け上がった経歴
琴欧洲は2002年11月場所に初土俵を踏み、2004年9月場所に新入幕を果たします。
2005年3月場所には新三役となり、2006年1月場所には大関へ昇進しました。
初土俵から大関昇進までの期間は約3年。外国出身力士としても、非常に目覚ましい出世でした。
大関在位は2006年1月場所から2013年11月場所まで。大関として47場所を務め、378勝264敗63休を記録しています。
2008年5月場所で歴史的な初優勝
琴欧洲の競技人生を象徴する出来事が、2008年5月の夏場所です。
この場所では大関として安定した相撲を見せ、14勝1敗で幕内最高優勝を達成しました。
これは欧州出身力士として史上初の幕内優勝でした。
特に注目されたのは、横綱・朝青龍や白鵬を破るなど、当時の角界を代表する強豪と互角以上に渡り合ったことです。
単に体格に恵まれた外国出身力士という評価を超え、優勝を争う大関として実力を証明した場所でした。
日本相撲協会の公式プロフィールでも、琴欧洲の幕内優勝は1回と記録されています。
琴欧洲の引退は2014年3月
華々しい実績を残した琴欧洲ですが、現役生活の後半は度重なる故障に苦しみました。
2013年九州場所では左肩の脱臼などの影響もあり、大関から陥落。その後、大関復帰を目指しましたが、思うような成績を残せませんでした。
2014年春場所では左肩の痛みを抱え、初日以降も黒星が続き、途中休場。2014年3月20日、現役引退を発表しました。
引退会見では、精神的にも体力的にも限界だったことを明かしています。
「精神的にも体力的にも限界だった。何回もけがをしたけれど、12年頑張ってきたので悔いはない」
この言葉からは、大関として長く戦い続けた苦労と、相撲人生への思いが伝わります。
引退場所は2014年3月場所。最高位は大関、生涯戦歴は537勝337敗63休でした。
【碧山亘右の経歴】関脇まで昇進したブルガリアの大型力士
現・岩友亘右親方/春日野部屋
敢闘賞4回・技能賞1回・金星1個
碧山は1986年6月19日生まれ。ブルガリアのヤンボル出身です。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、身長191センチ、体重181キロ。四股名は碧山で、本名は現在の日本名である古田亘右です。
琴欧洲より後に角界入りしましたが、幕内で長期間活躍し、最高位は関脇に到達しました。
レスリングから大相撲へ転身
碧山は来日前、ブルガリアでレスリングに取り組んでいました。
本人が2021年のインタビューで語った経歴によると、レスリングを始めたのは11歳。地元のクラブから首都ソフィアのクラブへ移り、大学でも競技を続けていました。
その後、体格の変化やレスリングの体重制限などを背景に相撲へ関心を持ち、アマチュア相撲にも取り組むようになります。
大きな転機となったのが2007年の琴欧洲との出会いでした。
琴欧洲から力士になることを勧められた碧山は、約2年後の2009年7月場所に初土俵を踏みます。
つまり、琴欧洲は自分の成功だけでなく、同郷の後輩を角界へ導いた人物でもあったのです。
碧山の最高位は関脇、幕内在位は71場所
碧山は2011年7月場所に新十両、同年11月場所に新入幕を果たしました。
2012年9月場所には新三役となり、その後も幕内上位で活躍。2014年11月場所には新関脇へ昇進しています。
特筆すべきは、幕内在位71場所という長い現役実績です。
日本相撲協会の公式記録では、碧山の主な成績は次のようになっています。
- 生涯戦歴:613勝607敗35休
- 幕内戦歴:504勝528敗33休
- 幕内優勝:0回
- 敢闘賞:4回
- 技能賞:1回
- 金星:1個
幕内優勝こそありませんが、500勝を超える幕内勝利数と71場所の在位は、長期間にわたって幕内で戦い続けた証拠です。
また、突き押しを主体とした力強い相撲で、上位陣にも脅威を与えてきました。
碧山の引退は2024年9月24日
碧山は2024年9月場所、東十両13枚目で5勝10敗という成績に終わりました。
幕下への陥落が避けられない状況となり、同月24日、日本相撲協会の理事会で現役引退と年寄「岩友」の襲名が承認されました。
引退の背景には、長年抱えていた左膝の故障や右膝の負傷などがありました。
ただし、引退会見で碧山は、けがだけを理由にした引退ではないと説明しています。本人は、力を出し切れなくなったという趣旨を語りました。
「ケガでやめるわけではない」
約15年間の現役生活を終えた碧山は、今後は親方として後進の育成に携わる道を選びました。
【徹底比較】琴欧洲と碧山の最高位・優勝歴・生涯成績
琴欧洲と碧山は同じブルガリア出身ですが、力士としての実績には明確な違いがあります。
琴欧洲は大関として幕内優勝を経験した実力者。一方、碧山は関脇まで昇進し、幕内で長く戦い続けた持続力が大きな特徴です。
両者の経歴を比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | 琴欧洲勝紀 | 碧山亘右 |
|---|---|---|
| 出身地 | ベリコタロノボ | ヤンボル |
| 生年月日 | 1983年2月19日 | 1986年6月19日 |
| 初土俵 | 2002年11月 | 2009年7月 |
| 新入幕 | 2004年9月 | 2011年11月 |
| 最高位 | 大関 | 関脇 |
| 幕内優勝 | 1回 | 0回 |
| 敢闘賞 | 3回 | 4回 |
| 殊勲賞 | 2回 | 0回 |
| 技能賞 | 0回 | 1回 |
| 金星 | 0個 | 1個 |
| 生涯戦歴 | 537勝337敗63休 | 613勝607敗35休 |
| 幕内在位 | 57場所 | 71場所 |
| 引退 | 2014年3月 | 2024年9月 |
| 引退後 | 鳴戸親方 | 岩友親方 |
| 所属部屋 | 鳴戸部屋 | 春日野部屋 |
出典:日本相撲協会の力士プロフィール・年寄プロフィール。琴欧洲の2008年5月場所の優勝成績は14勝1敗。
比較すると見えてくる二人の違い
琴欧洲の最大の実績は大関昇進と幕内優勝です。
最高位が大関であり、欧州出身力士として初めて幕内最高優勝を達成した点は、歴史的な意味を持ちます。
一方、碧山の強みは幕内での継続的な活躍です。
幕内在位71場所は琴欧洲の57場所を上回り、幕内戦歴も504勝と500勝の大台を超えています。
また、碧山は敢闘賞4回を獲得しており、幕内での安定した競争力を示しました。
したがって、二人を単純に優劣で比較するのは適切ではありません。
- 琴欧洲:最高位と幕内優勝という頂点の実績
- 碧山:幕内で長く戦い続けた継続性と三賞の実績
異なる強みを持ちながら、二人ともブルガリア出身力士として角界に確かな存在感を残しました。
【2026年現在】琴欧洲は鳴戸親方、碧山は岩友親方として活動
二人の現在を理解するうえで重要なのが、現役引退後の年寄襲名です。
日本相撲協会の公式年寄プロフィールでは、琴欧洲は鳴戸勝紀、碧山は岩友亘右として掲載されています。
琴欧洲は鳴戸部屋の師匠
師匠:鳴戸勝紀(元大関・琴欧洲)
所在地:東京都墨田区
琴欧洲は2014年3月の引退後、2015年2月に15代鳴戸を襲名しました。
その後、2017年4月に佐渡ヶ嶽部屋から独立し、鳴戸部屋を創設しています。
2026年現在も鳴戸部屋の師匠を務めており、力士の育成に取り組んでいます。
日本相撲協会の公式部屋紹介には、師匠として鳴戸勝紀の名前が掲載されています。
現役時代に大関まで昇進した経験を持つ親方として、自らの競技経験を若い力士に伝える立場です。
碧山は岩友親方として春日野部屋に所属
元関脇・碧山
所属:春日野部屋
年寄名:岩友
碧山は2024年9月24日に現役を引退し、年寄「岩友」を襲名しました。
引退後は春日野部屋に所属し、部屋付き親方として後進の指導にあたっています。
日本相撲協会の年寄プロフィールでも、岩友亘右の所属部屋は春日野と記載されています。
つまり、琴欧洲が独立した相撲部屋を率いる師匠であるのに対し、碧山は春日野部屋で指導に携わる親方という違いがあります。
【日本国籍・帰化】琴欧洲と碧山が親方になれた理由
ブルガリア出身の二人について、もう一つ注目されるのが日本国籍の取得です。
琴欧洲も碧山も、現役時代に日本国籍を取得しています。
これは引退後の進路と深く関係しています。
琴欧洲は2014年1月に日本国籍を取得
琴欧洲が日本国籍を取得したことは、2014年1月に官報で告示されました。
帰化後の日本名は安藤カロヤンです。
当時の報道では、引退後も親方として日本相撲協会に残るための準備として、日本国籍の取得が取り上げられました。
実際に同年3月に引退し、その後は親方として活動を続けています。
碧山は2022年3月に日本国籍を取得
碧山については、2022年3月16日付の官報で日本国籍の取得が告示されました。
帰化後の日本名は古田亘右です。
スポニチの報道によると、日本国籍の取得によって、引退後に年寄名跡を襲名し、日本相撲協会に残る資格を得ました。
実際に2024年9月に引退した際には、年寄「岩友」を襲名しています。
外国出身力士が親方になるための条件
大相撲では、現役力士として活躍することと、引退後に年寄として協会に残ることは別の制度です。
年寄名跡の襲名には日本国籍が必要とされており、外国出身力士が親方として相撲協会に残るには、国籍取得が重要な条件となります。
琴欧洲と碧山は、ともに現役時代から日本国籍を取得し、引退後の親方としての道を確保しました。
この点でも二人の歩みには共通点があります。
【プロの分析】ブルガリア出身力士が残した本当の功績とは?
琴欧洲と碧山の経歴を並べると、単に外国出身の力士が二人活躍したという話にとどまらないことが分かります。
特に重要なのは、琴欧洲が先輩として碧山を相撲界へ導き、その碧山もまた日本の相撲界で約15年間活躍したという関係です。
① 琴欧洲は欧州出身力士の可能性を証明した
2008年5月場所の優勝は、欧州出身力士が幕内最高優勝を達成できることを示した歴史的な出来事でした。
大関まで昇進し、横綱陣と優勝を争った経験は、後に続く外国出身力士にとっても大きな意味を持ちます。
② 碧山は長期的な活躍で実力を証明した
碧山の特徴は、幕内在位71場所という継続性です。
幕内優勝の有無だけで評価するのではなく、長年にわたり幕内で勝負を続けた実績にも目を向ける必要があります。
特に敢闘賞4回、技能賞1回という記録は、幕内で存在感を発揮し続けたことを裏付けています。
③ 二人は競技者から指導者へ役割を変えた
琴欧洲は鳴戸部屋を創設し、師匠として部屋を率いる立場になりました。
碧山も岩友親方として春日野部屋に所属し、若い力士を指導する立場になっています。
二人の歩みから分かるのは、外国出身力士の成功が現役時代の成績だけで終わるわけではないということです。
日本国籍の取得、年寄襲名、部屋の運営や後進育成まで含めて、相撲界に長く関わり続ける道があります。
【よくある質問】ブルガリア出身力士に関するFAQ
Q1:2026年現在、ブルガリア出身の現役力士はいますか?
2026年10月現在、日本相撲協会の現役力士検索ではブルガリア出身の現役力士は該当しません。琴欧洲は2014年、碧山は2024年に現役を引退しています。
Q2:ブルガリア出身力士で最高位が大関だったのは誰ですか?
元大関・琴欧洲勝紀です。2006年1月場所に大関へ昇進し、2008年5月場所には14勝1敗で幕内最高優勝を果たしました。
Q3:碧山の最高位と幕内優勝回数は?
最高位は関脇です。幕内優勝はありませんが、敢闘賞4回、技能賞1回、金星1個を獲得しています。幕内在位は71場所でした。
Q4:琴欧洲と碧山は現在も親方をしていますか?
はい。琴欧洲は鳴戸勝紀として鳴戸部屋の師匠を務めています。碧山は岩友亘右として春日野部屋に所属し、後進の指導にあたっています。
Q5:琴欧洲と碧山は日本国籍を取得していますか?
はい。琴欧洲は2014年1月、碧山は2022年3月に日本国籍を取得しています。二人とも日本名を持ち、引退後は親方として日本相撲協会に残っています。
まとめ:ブルガリア出身力士の歴史は琴欧洲と碧山から親方の時代へ
ブルガリア出身力士として日本の大相撲で活躍した琴欧洲と碧山は、それぞれ異なる形で歴史に名を残しました。
琴欧洲は最高位大関、幕内優勝1回という華々しい実績を残し、欧州出身力士として初の幕内優勝を達成しました。2014年3月の引退後は鳴戸親方となり、2017年には鳴戸部屋を創設しています。
碧山は最高位関脇、幕内在位71場所という長期的な実績を残しました。2024年9月の引退後は岩友親方として春日野部屋で指導に携わっています。
二人の功績を評価する際に大切なのは、最高位や優勝回数だけで判断しないことです。 琴欧洲には歴史的な優勝と大関としての実績があり、碧山には幕内で長く戦い続けた記録があります。さらに、琴欧洲が碧山を角界に導いたという関係も、二人を語るうえで欠かせません。
2026年現在、二人は現役力士ではありません。しかし、鳴戸部屋と春日野部屋で親方として活動を続けています。
ブルガリアから日本へ渡り、土俵で実績を築き、引退後は次世代の育成に携わる。その歩みこそが、琴欧洲と碧山が日本相撲界に残した大きな財産です。