トラバサミとは何か?仕組み・12センチ規制と2026年の罰則、発見時の対応を徹底解説

目次

トラバサミとは、動物が踏むなどして作動すると、強いバネの力で金属製の部分が閉じ、動物の脚などを挟み込む捕獲用のわなです。かつて狩猟や害獣対策に使われていましたが、対象となる動物を選ばず、人や犬、猫、野生動物に重大なけがを負わせる危険性があることから、現在の日本では鳥獣保護管理法によって原則として使用が禁止されています。

ただし、法律上は一定の条件を満たした捕獲許可の例外が存在します。2026年現在、使用できるのは、鋸歯がないこと、開いた状態の内径の最大長が12センチメートル以内であること、衝撃緩衝器具を装着していることなどの構造要件を満たし、さらに他の方法では目的を達成できないといったやむを得ない事情について許可を受けた場合に限られます。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • トラバサミの正体:強力なバネで動物の脚などを挟み込む、誤作動や錯誤捕獲の危険性があるわな。
  • 法律上の扱い:2007年から狩猟での使用は禁止。例外的な捕獲許可には12センチ規制など複数の条件がある。
  • 発見時の対応:絶対に触ったり動かしたりせず、最寄りの警察や自治体の鳥獣担当窓口に連絡する。

【基本知識】トラバサミとは?仕組み・構造と作動原理を解説

トラバサミとは

トラバサミは、動物を捕獲するために使用される機械式のわなの一種です。「虎挟み」という漢字表記もあり、動物の脚などを金属製の挟み込み部分で拘束する構造を持っています。

電気や電子センサーを必要とせず、バネに蓄えられた機械的な力を利用するため、電源のない屋外でも作動する点が特徴です。

トラバサミの基本的な構造

トラバサミとは

一般的なトラバサミは、主に次のような部品から構成されています。

  • 金属製の挟み込み部分:動物の脚などを挟み込む左右の金属部品。
  • バネ機構:挟み込みに必要な強い力を生み出す部分。
  • 作動機構:動物が接触した際に機械的な動作を引き起こす部分。
  • 台座:各部品を支える基礎部分。
  • 固定用の部品:製品によっては、地面などに固定するための部品が付属する。

製品によって形状や部品の構成には違いがありますが、基本的にはバネの力によって金属部分を閉じるという原理は共通しています。

トラバサミが作動する原理

トラバサミとは

トラバサミは、動物が接触した際に作動機構が反応し、バネに蓄えられた力によって金属部分が閉じる仕組みです。

動物の脚などが挟まれると、強い圧力によって身体の一部が拘束されます。捕獲された動物が逃げようとして動くことで、さらに負傷する危険もあります。

このような構造上の特徴から、トラバサミは単に動物の動きを止めるだけの道具ではありません。骨や筋肉などに重大な損傷を与える可能性があるため、使用方法や設置場所を問わず慎重な取り扱いが必要な危険物です。

トラバサミと一般的な箱わなとの違い

トラバサミと箱わなは、どちらも動物を捕獲する目的で使用される場合がありますが、構造と危険性は大きく異なります。

箱わなは箱状の空間に動物を閉じ込める方式であるのに対し、トラバサミは金属部分で身体を直接挟み込みます。そのため、身体への物理的な損傷や、対象外の動物を捕獲してしまう危険性が問題になります。

【検証資料 1】トラバサミとはの当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

【危険性を検証】トラバサミによる錯誤捕獲と人・ペットへの被害

トラバサミが厳しく規制されている理由の一つが、錯誤捕獲です。

錯誤捕獲とは、捕獲する予定だった動物とは異なる種類の動物を、誤ってわなに捕獲してしまうことを指します。

例えば、特定の野生動物を対象として設置されたわなに、野良猫や飼い犬、別の野生動物などがかかるケースが考えられます。人が立ち入る場所に設置されていれば、散歩中の人や子どもが接触する危険もあります。

トラバサミに挟まれた場合に考えられる被害

強い圧力で身体を挟まれると、次のような深刻な負傷につながる可能性があります。

  • 皮膚や筋肉などの損傷
  • 骨折や関節の損傷
  • 血流障害や組織の壊死
  • 長時間拘束されることによる衰弱
  • 重症の場合の身体の一部の機能喪失

特に野外で捕獲された動物は、発見されるまで長時間拘束される可能性があります。負傷だけでなく、脱水や衰弱などの二次的な被害も懸念されます。

犬や猫などペットへの被害も発生している

トラバサミの問題は、野生動物だけに限られません。

環境省は2017年10月6日付の通知「とらばさみによる違法捕獲防止の推進について」で、犬や猫などの愛護動物がトラバサミによって殺傷される事例に言及しています。また、愛護動物を捕獲するために、著しい損傷を与えるトラバサミをあえて使用する行為について、動物愛護管理法違反となる可能性が高いとの考え方を示しています。

福岡県古賀市でも、2022年10月28日にトラバサミに足を挟まれた猫が発見されたことを市が公表しました。市は設置者と設置目的は不明としたうえで、不審なわなを見つけても触ったり動かしたりせず、最寄りの警察に通報するよう呼びかけています。

大阪府も2025年4月3日更新の注意喚起で、府内において違法に設置されたわなや使用が禁止されているトラバサミによる犬猫の被害が発生していると公表しています。

錯誤捕獲が重大な問題になる理由

錯誤捕獲は、単に対象と異なる動物を捕まえてしまったという問題ではありません。

捕獲対象外の動物が負傷した場合、適切な救護が遅れる可能性があります。また、野生動物の場合には、地域の生態系や保護対象種の個体群に悪影響を及ぼすことも考えられます。

環境省が2007年の狩猟規制見直しでトラバサミの狩猟使用を禁止した背景にも、錯誤捕獲の防止と、捕獲された動物の損傷を軽減するという目的がありました。

【2026年最新】トラバサミの使用禁止と鳥獣保護管理法の規制

トラバサミの使用について理解するうえで、最も重要なのが鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)です。

この法律は、野生鳥獣の保護と管理、狩猟の適正化などを目的としています。野生鳥獣の捕獲は原則として禁止されており、狩猟や法令に基づく捕獲許可など、定められた条件のもとで認められています。

2007年から狩猟での使用は禁止

環境省の「野生鳥獣の違法捕獲の防止」によると、2006年6月の法改正を受けた狩猟規制の見直しが2007年4月16日に施行されました。

その際、錯誤捕獲の防止や、捕獲時の動物の損傷を軽減する観点から、トラバサミの狩猟における使用が禁止されました。

2024年5月30日の参議院農林水産委員会でも、政府参考人が、平成19年の鳥獣法施行規則改正によってトラバサミが法定猟法から除外され、狩猟での使用が禁止されたと説明しています。

ここで注意したいのは、狩猟免許を持っていることと、トラバサミを使用できることは別問題だという点です。通常の狩猟として、狩猟期間中だからという理由だけで使用できるわけではありません。

例外的な使用許可に必要な条件

一方、鳥獣保護管理法第9条に基づく捕獲許可を受けた場合には、一定の条件下でトラバサミを使用できる例外があります。

ただし、単に農作物への被害がある、野生動物が敷地に侵入するという理由だけで認められるものではありません。

環境省の基本指針や国会での政府答弁では、安全の確保と鳥獣保護の観点から、他の方法では目的を達成できないなど、やむを得ない事情がある場合に限定する考え方が示されています。

例外的な使用に関係する要件を整理すると、次のとおりです。

関係する項目 法令・許可上の条件 確認すべきポイント
狩猟での使用 2007年から狩猟での使用は禁止 狩猟免許だけでは使用できない
捕獲許可 鳥獣保護管理法第9条に基づく許可が必要 許可権者による個別審査が必要
鋸歯 のこぎり状の歯がないこと 歯の有無は構造要件の一つ
12センチ規制 開いた状態の内径の最大長が12センチメートル以内 開いた状態で測定する
衝撃緩衝器具 所定の器具を装着していること 動物への衝撃を緩和するための条件
使用の必要性 他の方法では目的を達成できない等のやむを得ない事由 代替手段や安全性も審査対象
設置・運用 捕獲区域、対象種、期間、数量、安全確保などの条件 許可された内容に従う必要がある

トラバサミの12センチ規制とは?

12センチ規制は、例外的な捕獲許可を申請する場合の重要な構造基準です。

具体的には、トラバサミを開いた状態における内径の最大長が12センチメートルを超えないことが求められます。

この数値は、くくりわなに関する規制と混同しやすい部分です。くくりわなにも輪の直径に関する12センチメートルの基準がありますが、トラバサミの場合は開いた状態の内径の最大長を基準にしています。

また、12センチメートル以内であれば自由に使用できるという意味ではありません。鋸歯がないこと、衝撃緩衝器具が装着されていること、捕獲許可があることなど、複数の条件をすべて満たす必要があります。

衝撃緩衝器具とは?

衝撃緩衝器具とは、トラバサミの使用に関する許可基準で求められる、衝撃を緩和するための器具です。

トラバサミは動物の身体を直接挟み込む構造であるため、捕獲時の衝撃や負担を軽減することが重要になります。

ただし、衝撃緩衝器具を装着しているからといって、動物がけがをしないわけではありません。これも許可に必要な構造要件の一つであり、安全性を完全に保証するものではありません。

誰が使用許可を出すのか

鳥獣保護管理法第9条に基づく捕獲許可は、原則として都道府県知事が行います。

ただし、国指定鳥獣保護区内での捕獲や希少鳥獣の捕獲など、法律で定められた場合には環境大臣が許可権者となります。また、多くの都道府県では、対象となる鳥獣や地域を限定して、市町村長に許可権限の一部を移譲しています。

そのため、許可の相談先は地域や捕獲対象によって異なります。実際の制度については、都道府県の自然環境担当部署や市町村の鳥獣害対策担当部署への確認が必要です。

【検証資料 2】トラバサミとはの活動歴およびメディア掲載記録(出典:Yahoo!ニュース)

【違法設置の罰則】2026年の拘禁刑と動物愛護管理法の適用

トラバサミを無許可で使用したり、禁止されている方法で野生鳥獣を捕獲したりした場合、鳥獣保護管理法違反となる可能性があります。

2026年現在、鳥獣保護管理法第83条では、同条に定める違反行為について、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が規定されています。

2025年6月から刑罰の名称が変更

罰則を確認する際に注意したいのが、刑罰の名称です。

2025年6月1日、刑法等の改正により、従来の懲役と禁錮が廃止され、新たに拘禁刑が創設されました。

そのため、古い自治体の案内ページなどには「1年以下の懲役」と記載されている場合がありますが、2026年現在の法令表記では「1年以下の拘禁刑」となっています。

ペットを傷つけた場合は動物愛護管理法にも注意

トラバサミを使用して犬や猫などの愛護動物をみだりに殺したり、傷つけたりした場合には、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)第44条が問題になります。

環境省が示す現行の罰則は、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた場合、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です。

ただし、実際にどの法律が適用されるか、どのような刑事責任が成立するかは、設置の目的、行為者の認識、負傷や死亡との関係など、個別の事情によって判断されます。

特に犬や猫を狙って設置した場合や、動物に著しい損傷を与えることを認識しながら使用した場合には、重大な法的責任が問われる可能性があります。

なお、罰則は設置した場所が私有地か公有地かだけで決まるものではありません。自分の土地であっても、野生鳥獣の捕獲に関する法令上の許可や条件を無視して使用することは認められません。

【発見したらどうする?】トラバサミの見分け方と安全な対応

山林、農地、公園、河川敷などで不審な金属製のわなを見つけた場合、最優先すべきなのは自分や周囲の人、ペットの安全です。

見た目だけで合法・違法を判断しようとしたり、危険性を確かめようとして近づいたりすることは避けてください。

トラバサミの見分け方

一般的なトラバサミには、次のような外観上の特徴があります。

  • 金属製の左右の挟み込み部分がある。
  • バネなどの機械部品が付いている。
  • 中央付近に作動機構が見られる。
  • 製品によっては固定用の鎖や部品が付属している。

ただし、製品や状態によって外観は異なります。さびていたり、土や草に覆われていたりすると、通常の金属製品と区別しにくい場合もあります。

また、鋸歯の有無や大きさだけで、合法か違法かを判断することはできません。許可の有無や設置状況なども含めた確認が必要です。

トラバサミを発見した場合の正しい対応

不審なわなを発見した場合は、次の対応を徹底してください。

  1. 近づかない:わなに触れず、作動する可能性がある範囲から離れる。
  2. 周囲を安全にする:子どもやペットが近づかないようにする。
  3. 位置を記録する:安全な距離から、発見場所や周辺の目印、発見時刻を記録する。
  4. 警察に連絡する:不審なわなや違法設置の疑いがある場合は、最寄りの警察署に通報する。人が負傷しているなど緊急の場合は110番または119番を利用する。
  5. 自治体にも相談する:市町村の環境課、農政課、鳥獣害対策担当部署、都道府県の自然環境担当部署などに情報を伝える。

特に重要なのは、自分で撤去したり、作動部分を動かしたりしないことです。見た目が古く、すでに作動しているように見えても、安全だとは限りません。

自治体や警察の指示を受け、適切な担当者による確認と処置につなげることが大切です。

ペットがトラバサミに挟まれた場合

犬や猫がトラバサミに挟まれている場合も、無理に引っ張ったり、金属部分を自力で外そうとしたりしてはいけません。

強い圧力がかかっている可能性があり、無理な操作によって負傷が悪化するおそれがあります。まず周囲の安全を確保し、警察や自治体に連絡してください。あわせて動物病院にも連絡し、緊急診療や安全な搬送について指示を受けましょう。

負傷した動物が興奮している場合には、救助しようとする人がかまれる危険もあります。動物の状態を確認する際も、むやみに身体に触れないようにしてください。

飼い主がいる場合は、発見時刻や場所、負傷状況などを記録しておくことも、後の調査や被害の確認に役立ちます。

【検証資料 3】トラバサミとはに関する近況・インタビュー報道記録(出典:Yahoo!ニュース)

【トラバサミとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:トラバサミは2026年現在、全面的に使用禁止ですか?
A1:通常の狩猟での使用は禁止されています。ただし、鳥獣保護管理法第9条に基づく捕獲許可を受け、鋸歯がないこと、開いた状態の内径の最大長が12センチメートル以内であること、衝撃緩衝器具を装着していることなどの条件を満たす場合には、例外的に使用が認められる可能性があります。

Q2:12センチ以内のトラバサミなら自由に使えますか?
A2:いいえ。12センチ以内というのは構造上の条件の一つにすぎません。鋸歯がないことや衝撃緩衝器具の装着、他の方法では目的を達成できないといった事情、正式な捕獲許可など、複数の要件を満たす必要があります。

Q3:自分の土地や農地ならトラバサミを設置できますか?
A3:自分の土地であっても、野生鳥獣を無許可で捕獲することは認められません。土地の所有権があることは、鳥獣保護管理法の規制を免れる理由にはなりません。鳥獣による農作物被害などに困っている場合は、自治体の鳥獣害対策担当窓口に相談してください。

Q4:トラバサミを見つけたら、自分で撤去してもよいですか?
A4:自分で触ったり、動かしたり、撤去したりすることは避けてください。作動して負傷する危険があるほか、設置状況の確認や証拠保全にも影響する可能性があります。安全な距離から場所を記録し、警察や自治体に連絡してください。

まとめ:【プロの結論】トラバサミの危険性と2026年に知っておくべき判断基準

トラバサミは、強いバネの力で動物の脚などを挟み込む機械式のわなです。構造が比較的単純である一方、対象となる動物を選ばず、野生動物だけでなく犬や猫、人にも深刻な被害を及ぼす可能性があります。

2026年現在、鳥獣保護管理法に基づき、通常の狩猟での使用は禁止されています。例外的な捕獲許可についても、開いた状態の内径の最大長12センチメートル以内、鋸歯がないこと、衝撃緩衝器具の装着など、厳格な条件が設けられています。

さらに、無許可捕獲などの法違反には拘禁刑や罰金が科される可能性があり、犬や猫などの愛護動物をみだりに殺傷した場合には、動物愛護管理法による重い罰則も問題になります。

【プロの結論】トラバサミについて判断する際に、最も重要なのは「12センチ以内だから合法」「自分の土地だから使用できる」「狩猟免許があるから問題ない」といった誤解を避けることです。構造上の条件と、実際の使用許可は別々に確認しなければなりません。

不審なトラバサミを発見した場合は、自分で確認や撤去を試みず、警察や自治体の専門部署に連絡することが安全につながります。

野生鳥獣による被害への対策と、人やペット、野生動物の安全を守ることは両立させなければなりません。危険なわなを自己判断で使用するのではなく、法令に基づく適切な捕獲方法や防除対策を選ぶことが、地域全体の安全を守るための基本です。