【全5局の王座戦結果】対局日・会場・勝敗を完全一覧
第74期王座戦五番勝負は、2026年9月2日に開幕し、10月27日の第5局で決着しました。
最大5局を戦うシリーズで、先に3勝した棋士が王座を獲得する形式です。今期は第3局終了時点で伊藤匠王座が2勝1敗とリードしていましたが、広瀬九段が第4局、第5局を連勝しました。
第74期王座戦・全対局結果一覧
出典:日本将棋連盟「第74期王座戦」公式対局結果、王座戦中継Blog。日付・会場・勝敗・手数を照合。
シリーズの流れを振り返る

第1局:広瀬九段が99手で先勝
9月2日の元湯陣屋で行われた開幕戦は、広瀬九段が99手で勝利しました。挑戦者としての初戦で結果を残し、シリーズの主導権を握ります。
第2局:伊藤王座が115手で巻き返す
9月15日の名古屋対局では、伊藤王座が115手で勝利。終盤に形勢が大きく動く展開となり、シリーズを1勝1敗に戻しました。
第3局:伊藤王座が連勝して王手
10月2日の北海道ニセコ町での対局では、伊藤王座が100手で勝利。2勝1敗とし、初防衛まであと1勝に迫りました。
第4局:広瀬九段が94手でタイに戻す
10月14日のホテルオークラ神戸で行われた第4局は、広瀬九段が94手で勝利。伊藤王座の防衛を阻止し、最終局への切符をつかみました。
第5局:広瀬九段が121手でタイトル奪取
10月27日の最終局は、広瀬九段が121手で勝利。2連敗から2連勝という流れで、シリーズを逆転しました。
この結果から分かるのは、単純な先行逃げ切りではなく、挑戦者が終盤の2局で勝ち切ったシリーズだったということです。
【王座戦第5局121手を分析】広瀬章人九段はどうやって逆転したのか

第74期王座戦の最大の注目点は、やはり最終第5局です。
10月27日、山梨県甲府市の常磐ホテルで行われた対局は、先手・広瀬章人九段、後手・伊藤匠王座という組み合わせになりました。
持ち時間は双方5時間。チェスクロック方式で行われ、持ち時間を使い切った後は1手60秒未満の秒読みとなります。
終局時刻は午後8時46分。両者が持ち時間を使い切るほどの激戦でした。
勝負を左右した55手目と73手目

最終局では、角と銀の交換を含む複雑な駆け引きが繰り広げられました。
広瀬九段は対局後、55手目の▲3八香について、香を打って相手の攻めを受け止める方針を説明しています。
一方、伊藤王座は38手目の△3五歩から攻勢に出ましたが、思い描いた攻めの組み合わせを見つけられず、難しい局面を迎えたと振り返りました。
特に注目されたのが、73手目の▲7五成銀です。
伊藤前王座は、この手を見落としていたことが形勢に影響したと対局後に説明しています。
つまり、最終局は単純に終盤の一手だけで勝敗が決まったのではありません。序盤からの構想、相手の攻めへの対応、終盤の読みの正確さが積み重なった結果でした。
最終盤は▲3三銀から勝ち筋へ
終盤の解説では、渡辺明九段が示した▲3三銀が重要な手として取り上げられました。
その後、▲2四銀成から▲4六角と進み、最終的に▲2五竜で相手の馬を抜く筋が勝ちにつながると解説されました。
広瀬九段は終局後、次のように振り返っています。
「最後はギリギリになってしまいましたが、馬を抜く筋があってぴったり勝っていたかと思います」
【検証資料 1】王座戦結果の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)
伊藤前王座も、▲7五成銀を見落としたことや、その後の粘りについて率直に語りました。
公式中継Blogに掲載された両者の対局後のコメントからも、最後まで簡単には決着しなかったことが伝わります。
広瀬九段が手にした3期目のタイトル
広瀬九段にとって今回の王座獲得は、自身初の王座であり、通算3期目のタイトル獲得です。
過去には王位、竜王を獲得しており、今回の王座は2018年の竜王獲得以来のタイトルとなりました。
注目したいのは、広瀬九段が単に過去の実績だけで勝ったわけではない点です。
対局後の記者会見では、AIの活用についても説明しました。
「AIの使い方によっては自分のような年代でも結果を出すことができる」
研究時間の配分や、AIを使ったトレーニングと地道な取り組みのバランスについて語っており、年齢を重ねた棋士が現代将棋にどう適応するかという観点でも興味深い発言です。
【広瀬章人九段が挑戦者になった経緯】藤井聡太竜王・名人との激戦
第74期王座戦挑戦者。挑戦者決定戦を制して初の王座戦五番勝負に進出し、伊藤匠王座からタイトルを獲得した。
第74期王座戦挑戦者決定戦の対戦相手。広瀬九段に敗れ、挑戦権を逃した。
第73期王座。藤井聡太王座からタイトルを奪取し、第74期では広瀬九段の挑戦を受けた。
8月5日の挑戦者決定戦が大きな転機に
広瀬九段が王座戦五番勝負への出場権を獲得したのは、2026年8月5日です。
挑戦者決定戦の相手は、藤井聡太竜王・名人でした。
この対局は117手で広瀬九段が勝利。持ち時間は双方5時間で、広瀬九段は強敵を破って伊藤王座への挑戦権を手にしました。
日本将棋連盟の公式中継Blogによると、広瀬九段にとって王座戦五番勝負への出場は初めてでした。
この挑戦者決定戦の意味は大きいものがあります。
広瀬九段は、藤井聡太竜王・名人、伊藤匠王座という当時のタイトルホルダーを相次いで破らなければ、今回の王座獲得には到達できませんでした。
タイトルを獲得するまでの道のり自体が、実力を証明する連続した勝負だったのです。
第73期王座戦では伊藤匠が藤井聡太を破っていた
一方、伊藤匠は第73期王座戦で藤井聡太王座に挑戦し、3勝2敗で王座を獲得しました。
つまり、第74期は前期の挑戦者が新王座となった翌年、その伊藤王座が広瀬九段の挑戦を受ける構図でした。
今回の結果によって、伊藤匠は王座を失いましたが、叡王のタイトルは保持しています。
【王座戦歴代優勝者の推移】2021年から2026年までのタイトル変遷
第74期の結果を理解するには、直近の王座戦の歴史を振り返ることも欠かせません。
日本将棋連盟の公式記録を確認すると、2021年以降は永瀬拓矢、藤井聡太、伊藤匠らが王座を獲得してきました。
直近6年間の王座獲得者
- 2021年・第69期:永瀬拓矢
木村一基九段を3勝1敗で破り、防衛。
- 2022年・第70期:永瀬拓矢
豊島将之九段を3勝1敗で破り、防衛。
- 2023年・第71期:藤井聡太
永瀬拓矢王座を3勝1敗で破り、奪取。
- 2024年・第72期:藤井聡太
永瀬拓矢九段を3連勝で破り、防衛。
- 2025年・第73期:伊藤匠
藤井聡太王座を3勝2敗で破り、奪取。
- 2026年・第74期:広瀬章人
伊藤匠王座を3勝2敗で破り、奪取。
2026年の広瀬王座誕生が示すもの
この6年間の推移を見ると、王座の移動は単なる世代交代という一言では説明できません。
永瀬拓矢九段が2年連続で防衛し、その後は藤井聡太竜王・名人が2年にわたってタイトルを保持。さらに伊藤匠が藤井から王座を奪い、2026年には広瀬章人が伊藤を破りました。
特に今回の広瀬九段の勝利は、若いタイトルホルダーが中心となっていた王座戦に、豊富なタイトル戦経験を持つ棋士が再び加わったという意味でも注目されます。
39歳でのタイトル獲得について、広瀬九段自身も競争の激しさと年齢を重ねる難しさに触れています。
また、今回の会見では、AIを使った研究と従来の地道なトレーニングのバランスが語られました。
これは将棋界全体にとっても興味深いテーマです。AI研究が進んだからといって、棋士個人の経験や実戦感覚が不要になるわけではありません。研究をどう実戦に結び付けるかが、タイトル戦での勝敗を左右する要素になっています。
【王座戦結果速報・棋譜・中継】公式情報を確認する方法
王座戦の結果を調べる場合、確認したい情報によって参照先を使い分けると便利です。
1. 日本将棋連盟の公式結果
最も基本となるのが、日本将棋連盟の棋戦情報です。
第74期のページでは、次の情報を確認できます。
- 五番勝負の全局の勝敗
- 挑戦者と王座の対戦成績
- 対局日と対局会場
- 歴代の王座獲得者
- 挑戦者決定トーナメントの情報
2026年10月29日時点では、第74期の王座が広瀬章人九段として掲載されており、第75期の予選情報も確認できます。
2. 王座戦中継Blogで棋譜と対局の流れを確認
対局の内容まで詳しく知りたい人には、王座戦中継Blogが役立ちます。
単に勝敗を掲載するだけでなく、対局中の局面、解説者の見解、終局後のインタビューなどが記録されています。
今回の第5局についても、広瀬九段と伊藤前王座のコメント、終盤の重要な局面、勝負を決めた手順が掲載されています。
3. ABEMAなどの映像中継
映像で将棋を楽しみたい場合は、ABEMAの将棋チャンネルや日本将棋連盟ライブ中継も確認先になります。
特に将棋初心者は、棋譜だけでは理解しにくい局面をプロ棋士の解説と一緒に見ることで、攻めと守りの意図を把握しやすくなります。
日本将棋連盟も第74期最終局の中継先として、ABEMA、王座戦中継サイト、日本将棋連盟ライブ中継を案内しています。
情報を見極めるポイントは、速報と確定結果を区別することです。
対局中の評価値や形勢判断は、勝敗が確定する前の分析情報です。一方、投了後に日本将棋連盟が掲載する勝敗とシリーズ成績は公式記録として確認できます。
検索結果の古い情報だけを見て、伊藤匠王座が現在も王座を保持していると判断しないよう注意が必要です。
【王座戦結果に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の第74期王座戦は誰が優勝しましたか?
A1:広瀬章人九段です。伊藤匠王座との五番勝負を3勝2敗で制し、自身初の王座を獲得しました。
Q2:王座戦の最終第5局はいつ、どこで行われましたか?
A2:2026年10月27日に山梨県甲府市の常磐ホテルで開催されました。広瀬九段が121手で勝利し、午後8時46分に終局しました。
Q3:第74期王座戦の勝敗はどう推移しましたか?
A3:第1局は広瀬九段、第2局と第3局は伊藤王座、第4局と第5局は広瀬九段が勝利しました。広瀬九段が2連敗から2連勝して逆転しました。
Q4:広瀬章人九段は初めてタイトルを獲得したのですか?
A4:いいえ。今回が初めての王座獲得です。過去には王位と竜王を獲得しており、今回が通算3期目のタイトルとなります。
Q5:伊藤匠前王座は現在もタイトルを持っていますか?
A5:はい。第74期王座戦で王座を失いましたが、叡王のタイトルは保持しています。
Q6:王座戦の棋譜や公式結果はどこで確認できますか?
A6:日本将棋連盟の公式棋戦ページと王座戦中継Blogで確認できます。対局中の速報や解説を見たい場合は、王座戦中継サイトやABEMAなども利用できます。
まとめ:第74期王座戦は広瀬章人九段の逆転タイトル奪取で決着
2026年の第74期王座戦五番勝負は、広瀬章人九段が伊藤匠王座を3勝2敗で破り、初の王座を獲得する結果となりました。
今回のシリーズで押さえておきたいポイントは次の5つです。
- 第1局は広瀬九段が先勝。
- 第2局、第3局は伊藤王座が連勝。
- 第4局で広瀬九段が2勝2敗に追いつく。
- 最終第5局は121手で広瀬九段が勝利。
- 広瀬九段は通算3期目、初の王座を獲得。
今回の勝利は、広瀬九段にとって約8年ぶりのタイトル獲得という節目でもあります。
一方、伊藤匠前王座にとっては、初防衛を逃した悔しいシリーズとなりました。今後の叡王戦を含むタイトル戦で、どのような巻き返しを見せるかにも注目が集まります。
2026年10月29日現在、第74期王座のタイトルホルダーは広瀬章人九段です。
今後の第75期王座戦では、新王座を誰が追うのか、そして広瀬九段がどのような防衛戦を迎えるのかが大きな見どころとなります。