ブルペンデーとは?オープナーとの違い・採用する理由と戦術の全貌を2026年最新解説
ブルペンデーとは、野球で通常の先発投手に長いイニングを任せず、複数のリリーフ投手(救援投手)を次々と登板させ、試合全体を継投で戦う投手起用法です。英語では「Bullpen Day」または「Bullpen Game」と呼ばれ、主にメジャーリーグ(MLB)で発展してきました。先発投手の故障やローテーションの不足に対応するだけでなく、相手打線との相性や投手の疲労管理を考慮した戦略としても活用されています。
2026年現在、野球中継やニュースでこの言葉を見かけたとき、知っておきたいのが「オープナー」との違いです。どちらも通常とは異なる継投策ですが、投手の配置や試合の組み立て方には明確な違いがあります。2018年のタンパベイ・レイズによるMLBでの取り組み、日本ハムのショートスターター、巨人やDeNAの採用事例などを振り返りながら、メリット・デメリット、ネットの反応、炎上と呼ばれるケースまで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1: ブルペンデーとは、複数のリリーフ投手で1試合を分担する投手起用法。
- 要点2: オープナーは短いイニングを担当する先発役であり、ブルペンデーとは投手運用の設計が異なる。
- 要点3: 成功の鍵は、投手の人数、登板順、相手打線との相性、事前の継投計画にある。
【基本解説】ブルペンデーとは?意味と野球における仕組み
ブルペンデーの意味

ブルペンデーの「ブルペン」とは、試合中にリリーフ投手が登板準備をする場所、または救援投手陣そのものを意味する野球用語です。
そこに「デー(Day)」が組み合わさり、救援投手陣を中心に試合を組み立てる日という意味になります。
通常の野球では、先発投手が試合開始からマウンドに立ち、5〜7イニング程度を担当した後、中継ぎ投手や抑え投手に交代するのが一般的です。
一方、ブルペンデーでは、最初から1人の先発投手に長いイニングを任せる計画を立てません。
例えば、次のような継投が考えられます。
- 1番手:1イニングを担当
- 2番手:2イニングを担当
- 3番手:1イニングを担当
- 4番手:2イニングを担当
- 5番手:1イニングを担当
- 6番手:残りのイニングを担当
これはあくまで起用イメージであり、実際の投手数や担当イニングはチームの状況によって変わります。
重要なのは、特定の投手に試合の大部分を任せず、複数の投手が役割を分担する点です。
ブルペンデーでは誰が先発する?

ブルペンデーでも、試合開始時には必ず最初の投手がマウンドに立ちます。
その投手は公式記録上、先発投手として扱われます。
ただし、通常の先発投手のように長いイニングを投げることは想定されていません。
最初の投手もリリーフ投手としての役割を持ち、短い登板を終えたら次の投手にバトンを渡します。
つまり、ブルペンデーは「先発投手が存在しない日」という意味ではありません。
通常の先発投手に試合を長く任せない日と理解すると、実際の運用に近いでしょう。
なぜブルペンデーを採用するのか
採用理由は主に次の4つです。
1. 先発ローテーションに故障者や離脱者がいる。
2. 先発投手の登板間隔やコンディションを調整したい。
3. 相手打線に対して複数の投手を効果的に当てたい。
4. 中継ぎ投手の能力を生かして試合を組み立てたい。
特に、先発投手が不足しているチームにとって、ブルペンデーは試合を成立させるための現実的な選択肢になります。
【戦術分析】ブルペンデーを採用するメリットとデメリット
ブルペンデーは、単に投手をたくさん使うだけの作戦ではありません。
投手の能力や相手打線の特徴を分析し、どの場面で誰を投入するかを事前に設計する必要があります。
メリット1:投手の相性を最大限に活用できる
通常の先発投手は、相手打者と何度も対戦することになります。
しかし、投手と打者の対戦は、同じ投手が同じ打者と繰り返し対戦するほど打者側が対応しやすくなる場合があります。
ブルペンデーでは、短いイニングで投手を交代させるため、相手打者が特定の投手に慣れる前に別の投手を投入できます。
例えば、右打者が多い打線には右投手、左打者が続く場面には左投手を投入するなど、左右の相性を意識した継投も可能です。
MLB公式の投手解説でも、救援投手の左右や打者との相性は重要な起用判断の要素として説明されています。
メリット2:先発投手の不足に対応できる
長いシーズンでは、先発投手の故障や不調、登板間隔の問題が発生します。
通常のローテーションを維持できなくなった場合、ブルペンデーを採用すれば、複数の救援投手で不足するイニングを補えます。
特に連戦やダブルヘッダーなど、投手運用が難しい日程では選択肢の一つになります。
メリット3:短期決戦で柔軟な投手起用ができる
ポストシーズンや決勝戦など、1試合の重要性が高い場面では、通常の先発・中継ぎ・抑えという役割分担を柔軟に変更することがあります。
状態の良い投手を早い段階から投入し、相手の攻撃を細かく分断する戦略が考えられます。
デメリット1:救援投手の消耗が大きい
最大の問題は、リリーフ投手を大量に投入することです。
ブルペンデーでは、複数の投手が登板するため、翌日以降に使える投手が限られてしまう可能性があります。
延長戦になれば、当初の計画を超える投手が必要になることもあります。
デメリット2:継投計画が崩れると立て直しにくい
予定していた投手が早い段階で失点したり、制球が安定しなかったりすると、後続の投手にも影響が及びます。
例えば、2イニングを担当する予定だった投手が1イニングで交代すると、その後の投手の登板順まで変更しなければなりません。
デメリット3:ベンチの判断が難しい
通常の先発試合以上に、監督や投手コーチには細かな判断が求められます。
投手の球数、疲労、相手打者との相性、試合展開、延長戦の可能性などを総合的に判断しなければなりません。
ブルペンデーは、投手陣に余裕がないチームが安易に実施できる作戦ではないのです。
【徹底比較】ブルペンデーとオープナー・ショートスターターの違い
ブルペンデーと混同されやすいのが、オープナーとショートスターターです。
いずれも通常の先発投手が長いイニングを投げるという従来の考え方を変えた戦術ですが、目的と投手の配置が異なります。
オープナーとは?
オープナーは、通常はリリーフを担当する投手を試合開始時に起用し、1〜2イニング程度を投げさせる方法です。
その後、本来は先発投手として起用されるタイプの投手を投入し、長いイニングを担当させます。
この戦術の狙いは、相手の強力な上位打線に対して、相性の良いリリーフ投手を最初から当てることです。
ショートスターターとは?
ショートスターターは、先発投手に通常より短いイニングを担当させ、早い段階で次の投手に交代する方法です。
日本ハムが2019年に取り入れた起用法として知られています。
オープナーと似ていますが、最初に登板する投手が本来の先発投手である点など、チームごとに運用方法が異なります。
3つの戦術を比較
| 比較項目 | ブルペンデー | オープナー | ショートスターター |
|---|---|---|---|
| 基本的な仕組み | 複数の救援投手で試合を分担 | 短いイニングの投手から本来の先発役へ交代 | 先発投手が早めに交代 |
| 最初の投手 | 救援投手が中心 | リリーフ投手が中心 | 先発タイプの投手が中心 |
| 2番手以降 | 複数の救援投手 | 長いイニングを担当する投手 | 次の投手へ継投 |
| 主な目的 | 投手陣全体で試合を組み立てる | 上位打線との相性を生かす | 投手の負担を分散する |
| 主な採用場面 | 先発不足・特殊な投手運用 | 相手打線への対策 | ローテーション調整・投手の適性活用 |
最も重要な違いは何か
判断のポイントは、2番手以降に誰がどのくらい投げる予定なのかという点です。
オープナーは、最初の投手の後に長いイニングを担当する投手が控えていることが基本です。
一方、ブルペンデーでは、特定の投手に長いイニングを任せず、複数のリリーフ投手で試合をつないでいきます。
この違いを押さえておけば、野球ニュースで両者が使われても混乱しません。
【歴史と経緯】MLBから日本プロ野球へ広がったブルペンデー
ブルペンデーやオープナーが注目されるようになった背景には、MLBにおける投手運用の変化があります。
2018年:タンパベイ・レイズがオープナーを本格導入
大きな転換点となったのが、2018年のタンパベイ・レイズです。
MLB公式の特集記事によると、同年5月19日、レイズはセルジオ・ロモをオープナーとして起用しました。
ロモは当時、救援投手として豊富な経験を持っていましたが、この日はキャリア初の先発登板を経験しました。
レイズはオープナーを積極的に採用し、同年には55試合でオープナーを使用。さらに、救援投手だけで試合を進めるブルペンデーも23試合実施しました。
チームの総投球イニングに占める救援投手の割合は56.2%に達しています。
この数字は、投手運用の中心が従来の先発投手だけではなく、救援陣全体へ広がったことを示す事例です。
2019年:日本ハムがショートスターターを導入
日本プロ野球でも、2019年に北海道日本ハムファイターズが栗山英樹監督のもとでショートスターターを採用しました。
日刊スポーツの報道では、先発投手に短いイニングを任せ、次の投手から継投で試合をつくる戦術として紹介されています。
MLBのオープナーと共通する部分はありますが、日本ハム独自の投手運用として展開された点も特徴です。
2020年:巨人とDeNAでもブルペンデーが話題に
2020年には、読売ジャイアンツや横浜DeNAベイスターズでも、救援投手を中心とした特殊な継投策が注目されました。
Full-Countの報道では、巨人が中継ぎの宮國椋丞を先発に起用し、その後も複数の投手をつないだ試合や、DeNAによるブルペンデーの事例が取り上げられています。
この時期は、新型コロナウイルスの影響による日程の過密化もあり、通常の先発ローテーションを維持する難しさがありました。
2023年:ロッテの事例から見える事前準備の重要性
2023年には、千葉ロッテマリーンズのブルペンデーがスポーツナビでも詳しく取り上げられました。
同記事では、当時の吉井理人監督が投手一人ひとりに担当イニングを事前に伝え、継投計画を共有していたことが紹介されています。
また、複数イニングを担当できる投手が限られる状況で、1試合を最後まで戦う難しさについても触れられています。
この事例が示すのは、ブルペンデーの成否が試合中の采配だけで決まるわけではないということです。
2026年現在も、この戦術を理解するうえでは、MLBでの発展、日本プロ野球での応用、そして投手の負担管理という3つの流れを押さえておく必要があります。
【専門的分析】ブルペンデーを成功させる条件と投手運用の裏側
ブルペンデーは、複数の投手が登板すれば成立するという単純なものではありません。
試合前の準備から翌日の投手運用まで含めて、チーム全体で計画を立てる必要があります。
1. 登板予定の投手を事前に決める
成功するブルペンデーでは、誰が何イニングを担当するかをある程度決めておきます。
例えば、最初の投手が1イニング、2番手が2イニング、3番手が1イニングというように、各投手の役割を整理します。
ただし、実際の試合では失点や球数によって計画を変更する必要があります。
2. 相手打線との相性を分析する
左右の打者構成や得意球種、過去の対戦傾向などを考慮し、どの投手をどのタイミングで投入するかを決めます。
同じ投手が打者に何度も対戦することを避ける意味でも、投手交代のタイミングは重要です。
3. ロングリリーフを確保する
予定外の展開に備えて、複数イニングを担当できる投手がいると継投の選択肢が広がります。
特に序盤で予定していた投手が崩れた場合、ロングリリーフの存在が試合の立て直しに役立ちます。
4. 翌日の試合まで考慮する
見落とされがちなのが、ブルペンデーの翌日の投手運用です。
複数の投手を登板させれば、その分だけ休養が必要になる投手も増えます。
そのため、翌日の先発予定や連戦の日程を踏まえ、どの投手を使うか判断しなければなりません。
5. 予備プランを用意する
ブルペンデーでは、最初に想定した継投順を守ることだけが正解ではありません。
早期失点、制球難、延長戦など、予想外の状況に対応するための代替プランが必要です。
スポーツナビで紹介された吉井監督の事例でも、事前の役割共有や継投計画の重要性が示されています。
プロの視点で見ると、ブルペンデーの本当の強さは、個々の投手の能力だけでなく、投手陣全体を一つのシステムとして機能させられるかどうかにあります。
【ネットの反応・炎上】ブルペンデーへの評価と噂の真相
ブルペンデーは、通常の先発ローテーションとは異なる戦術であるため、野球ファンの間でも評価が分かれやすいテーマです。
ネット上で議論になりやすい3つの論点
① 先発投手を使わないのは消極的な采配なのか
先発投手が不足している状況でブルペンデーを採用すると、チームの先発陣に問題があるのではないかという見方が出ることがあります。
しかし、オープナーやブルペンデーは、相手打線との相性を考慮した戦略的な選択肢でもあります。
採用したという事実だけで、チームの投手力が低いとは判断できません。
② 投手を大量に使うのは無駄ではないのか
これは非常に重要な論点です。
確かに、1試合で多くの投手を使えば、翌日以降の投手運用が難しくなる可能性があります。
一方、特定の投手に過度な負担をかけず、短いイニングに集中させる利点もあります。
問題は投手数そのものではなく、登板後の疲労やチーム全体のスケジュールまで考慮できているかどうかです。
③ ブルペンデーは失敗しやすい作戦なのか
ブルペンデーは継投の回数が増えるため、1人の投手が崩れた際に予定が大きく狂う可能性があります。
しかし、事前に十分な準備をしていれば、複数の投手の強みを生かせる戦術でもあります。
成功と失敗を分けるのは、投手の人数よりも役割分担と対応力です。
炎上と呼ばれるケースの真相
野球ニュースで「ブルペンデーが炎上」という表現が使われる場合、一般的には救援投手が大量失点したり、継投策が機能しなかったりした試合を指します。
ここでいう炎上は、SNS上の批判や試合内容への不満を意味する場合と、投手陣が打ち込まれたことを意味する場合があります。
ブルペンデーという戦術自体が不祥事や問題行動を意味するわけではありません。
また、ブルペンデーを採用しただけで試合に負けると決まっているわけでもありません。
よくある噂と事実の違い
- 噂: ブルペンデーは先発投手がいない場合にしか使えない。
事実: 先発投手の不足だけでなく、相手打線との相性や戦略的な投手運用でも採用できる。
- 噂: ブルペンデーとオープナーは同じ意味。
事実: オープナーは最初の短いイニングを担当する投手やその起用法であり、ブルペンデーは複数の救援投手で試合を分担する戦術。
- 噂: 登板する投手が多いほど成功しやすい。
事実: 投手の人数だけでなく、担当イニングや疲労管理、継投の順番が重要。
ブルペンデーを評価するときは、試合結果だけでなく、試合前の投手事情や翌日の運用まで確認することが大切です。
【実践ガイド】野球中継でブルペンデーを見分けるポイント
ブルペンデーを理解していると、試合中の投手交代を見る楽しみも広がります。
特に次の3点に注目すると、通常の継投との違いが分かりやすくなります。
先発投手の登板予定を確認する
試合前の予告先発や監督のコメントで、最初の投手が何イニング程度を担当する予定なのかを確認します。
最初から短い登板を予定している場合、通常の先発とは異なる戦術の可能性があります。
投手交代のタイミングを見る
1〜2イニング程度で投手が交代し、複数の救援投手が順番に登板している場合は、ブルペンデーの特徴が表れています。
ただし、先発投手が故障や不調で早期降板しただけなら、計画的なブルペンデーとは区別する必要があります。
翌日の投手起用にも注目する
ブルペンデーを実施した翌日は、救援投手の休養や登板可能性が注目ポイントになります。
試合単体では成功していても、翌日の継投が苦しくなれば、チーム全体としては難しい判断だった可能性があります。
このように、ブルペンデーは1試合だけで評価するのではなく、前後の試合を含めて見ると本質が分かります。
【よくある質問】ブルペンデーとは何かに関するFAQ
Q1:ブルペンデーとは簡単にいうと何ですか?
A1:複数のリリーフ投手が短いイニングを分担し、試合全体を継投で戦う投手起用法です。通常の先発投手に長いイニングを任せないことが大きな特徴です。
Q2:ブルペンデーとオープナーの違いは何ですか?
A2:オープナーは試合序盤の短いイニングを担当する投手、またはその起用法です。ブルペンデーは複数の救援投手で試合を分担する戦術です。
Q3:ブルペンデーでは何人の投手を使いますか?
A3:決まった人数はありません。試合展開や投手の担当イニングによって変わります。通常より多くの救援投手を起用する傾向があります。
Q4:ブルペンデーを採用する理由は何ですか?
A4:先発投手の故障や不足への対応、投手の疲労管理、相手打線との相性を考えた戦略的な継投などが主な理由です。
Q5:ブルペンデーは日本プロ野球でも使われていますか?
A5:はい。日本ハムのショートスターターや、2020年の巨人・DeNAの継投策、ロッテの事例など、日本プロ野球でも関連する戦術が採用されてきました。
Q6:ブルペンデーは必ず負けやすいのですか?
A6:いいえ。複数の救援投手が役割を果たせば、十分に勝機があります。ただし、投手の消耗や継投計画の崩れがリスクになります。
Q7:ブルペンデーは2026年現在も有効な戦術ですか?
A7:投手陣の構成や試合状況に応じて活用できる戦術です。ただし、すべての試合に適しているわけではなく、救援投手の層や日程を考慮する必要があります。
まとめ:ブルペンデーの本質は投手陣全体で試合を戦うこと
ブルペンデーとは、通常の先発投手に長いイニングを任せず、複数のリリーフ投手を組み合わせて試合を進める投手起用法です。
2018年のタンパベイ・レイズによるオープナー戦術の本格導入をきっかけに、投手運用の新しい考え方が注目され、日本プロ野球でもさまざまな形で取り入れられてきました。
理解しておきたいポイントは、次の3つです。
- ブルペンデーは複数の救援投手で試合を分担する戦術。
- オープナーやショートスターターとは、投手の役割と継投の設計が異なる。
- 成功には事前の役割分担、投手の相性分析、翌日以降を含めた疲労管理が欠かせない。
野球の投手起用は、単に優秀な先発投手を何人そろえるかという問題だけではありません。限られた投手陣の能力をどう組み合わせ、試合のどの場面で最大限に発揮させるかというチーム全体の設計でもあります。
ブルペンデーは、その考え方を象徴する戦術の一つです。
2026年の野球ニュースやMLBの試合を観戦する際も、先発投手の名前だけでなく、誰が何イニングを担当するのか、どのような継投計画があるのかに注目すると、監督の采配やチームの戦略をより深く理解できます。
主な情報参照資料: MLB公式用語集・2018年レイズ特集、Full-Count、日刊スポーツ、スポーツナビの投手起用解説。