【好きな人・嫌いな人を比較】ASMRの効果には大きな個人差がある

目次

ASMRを好きな人と嫌いな人の違いは、単純に音楽の好みが違うという話だけではありません。

ASMRを楽しめる人は、囁き声や細かな音を心地よい刺激として受け止めることがあります。一方、苦手な人は、同じ刺激を不自然な音や侵入的な感覚として受け止めることがあります。

ASMRが好きな人にとってのメリット

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ASMRを好む人が期待する効果には、次のようなものがあります。

- リラックスした気分になる
- 就寝前の気分転換になる
- 心地よい感覚を楽しめる
- 単調な音を聞いて落ち着ける
- 作業中の環境音として利用できる

特に、頭皮や首筋にゾワゾワとした感覚が生じる人は、その感覚自体を楽しむために動画を見ることがあります。

ただし、ASMRを聞けば必ず睡眠の質が上がる、ストレスが解消するという医学的な保証はありません。

ASMRが嫌いな人にとってのデメリット

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反対に、ASMRが苦手な人には次のような負担があります。

- 音を聞くだけでイライラする
- 生理的な嫌悪感を覚える
- 集中力が低下する
- 耳元で音が鳴る感覚が落ち着かない
- 視聴後も不快な感覚が残る

同じ囁き声でも、ある人にとっては癒やしになり、別の人にはストレスになります。

これは、どちらかの感じ方が間違っているということではありません。

ASMRのストレス軽減効果を検証した2025年の研究

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2025年7月29日、学術誌『Journal of Medical Internet Research』に、ASMR動画の視聴と脳活動、ストレスの関係を調べた研究が掲載されました。

研究では、韓国の若年成人72人を対象に、3種類のASMR動画を見てもらい、機能的MRIを使って脳活動を分析しました。

その結果、脳の一部では参加者間に共通する活動が確認されたものの、ストレスの強さと脳活動の共通性との間に、統計的に有意な関連は認められませんでした。

また、動画の種類によって脳活動の同期の程度にも違いが見られました。

この結果は、ASMR動画が誰にでも同じようなストレス軽減効果をもたらすという主張を裏付けるものではありません。

むしろ、特定の人にとって効果的なASMRが、別の人にも同じように効果的とは限らないという個人差を考えるうえで重要な研究です。

【実践的な対処法】ASMRが苦手なときはどうすればいい?

ASMRが気持ち悪いと感じる場合、無理に慣れようとする必要はありません。

特に、強い嫌悪感や身体的な不快感が出る場合は、刺激から距離を取ることが先決です。

1. 苦手な音の種類を把握する

最初に、自分がどのような音を不快に感じるのか整理してみましょう。

例えば、次のように分類できます。

苦手な音 試したい対応
咀嚼音 食べる音を含まない動画にする
囁き声 ナレーションや通常の会話に変更する
耳かき音 摩擦音の少ないジャンルを選ぶ
タッピング音 反復音の少ない環境音に変更する
高い音・金属音 高音の少ない音源を選ぶ

自分の苦手な刺激が分かると、必要以上に不快な動画を再生せずに済みます。

2. 音量を下げる・イヤホンを外す

ASMRは、マイクで拾った細かな音を強調していることがあります。

イヤホンで聞いている場合は、まず音量を下げてみましょう。

また、左右の耳に異なる音が届くバイノーラル録音が苦手な場合は、スピーカーで再生すると違和感が軽減することもあります。

ただし、音量を下げても嫌悪感が続くなら、無理に聞き続ける必要はありません。

3. 別ジャンルの動画に切り替える

ASMR以外にも、リラックスや気分転換に利用できる音源はあります。


自然音

雨音、風の音、川のせせらぎ

波の音

海の波や穏やかな水音

インストゥルメンタル

ピアノや穏やかな楽器の音

環境音

焚き火や静かな室内の音

ASMRが合わない人にとっては、自然音や楽器の音のほうが心地よい場合もあります。

4. 無理な音慣らしをしない

「苦手な音も聞き続ければ慣れるのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、強い嫌悪感がある音を無理に聞き続けることはおすすめできません。

特にミソフォニアが疑われる場合、本人の意思だけで反応を抑え込もうとするのは負担になります。

一方、聴覚過敏については、音を完全に避け続けることが適切とは限りません。英国NHSの2026年5月改訂の案内でも、常時耳栓を使用したり、あらゆる音を避けたりすることには注意が必要とされています。

音への耐性を改善するための音響療法や認知行動療法なども紹介されていますが、自己判断で不快な音にさらされるのではなく、専門家の指導を受けることが大切です。

5. 日常生活に支障がある場合は専門家に相談する

ASMR動画だけが苦手で、普段の生活には特に問題がないなら、基本的には無理に対処する必要はありません。

しかし、次のような場合は相談を検討してください。

- 家族の食事音にも強い怒りを感じる
- 職場や学校の生活音がつらい
- 普通の会話や家電の音が痛く感じる
- 音を避けるために外出や人付き合いを控えている
- 特定の音を聞くと強い動悸や不安が生じる

相談先としては、耳鼻咽喉科、聴覚に詳しい医療機関、必要に応じて心理・精神医療の専門家が挙げられます。

音の大きさが問題なのか、特定の音への感情反応が問題なのかを整理することが、適切な対応につながります。

【よくある質問】ASMRが気持ち悪いと感じることに関するFAQ

Q1:ASMRを気持ち悪いと感じるのはおかしいことですか?

A1:おかしいことではありません。ASMRの感じ方には個人差があります。囁き声や咀嚼音を心地よく感じる人がいる一方で、不快に感じる人もいます。苦手だからといって、必ずしも病気や異常があるわけではありません。

Q2:ASMRの咀嚼音だけが苦手なのはミソフォニアですか?

A2:咀嚼音が苦手というだけでは、ミソフォニアとは判断できません。特定の音に対して強い怒りや嫌悪感、身体反応が生じ、日常生活に支障が出ている場合には、ミソフォニアの可能性について専門家に相談する価値があります。

Q3:ASMRの囁き声を聞くと鳥肌が立つのはなぜですか?

A3:音の質感や耳との距離感、息遣いなどが身体的な感覚と結び付いている可能性があります。鳥肌は必ずしも心地よいASMR反応とは限らず、不快感や緊張によって生じる場合もあります。

Q4:ASMRが嫌いな人は聴覚過敏なのでしょうか?

A4:必ずしもそうではありません。特定の音だけが苦手な場合と、日常のさまざまな音が大きく感じられたり痛くなったりする場合では、考えられる状態が異なります。後者の場合は耳鼻咽喉科などで相談してください。

Q5:ASMRが苦手な人でもリラックスできますか?

A5:もちろんです。ASMR以外にも、自然音、穏やかな音楽、静かな環境など、リラックスの方法はさまざまです。自分にとって心地よい刺激を選ぶことが大切です。

まとめ:ASMRが気持ち悪いと感じる理由は人それぞれ!無理に好きになる必要はない

ASMRが気持ち悪いと感じる背景には、咀嚼音や囁き声などの音響的な特徴、感覚の個人差、音と感情の結び付きなど、複数の要因があります。

特に、咀嚼音や呼吸音に強い怒りや嫌悪感が生じる場合はミソフォニア、さまざまな日常音が大きく聞こえたり痛みを伴ったりする場合は聴覚過敏との関係も考えられます。ただし、単にASMRが嫌いというだけで、これらの状態に該当するわけではありません。

2026年の研究では、音響的特徴による不快感の予測、ミソフォニアと聴覚過敏の脳活動の違い、音や映像に対する身体反応などが明らかになりつつあります。一方、ASMRのリラックス効果については、誰にでも同じ効果があると証明されたわけではありません。

【プロの結論】

ASMRを好きになる必要も、苦手な音に無理に慣れる必要もありません。大切なのは、自分がどの音に反応し、どのような場面で不快感が生じるのかを理解することです。

動画を楽しむための刺激がストレスになるのであれば、視聴をやめて構いません。日常生活にまで影響が及んでいる場合は、専門家に相談することも選択肢です。

音の感じ方は人それぞれです。ASMRを楽しむ人と苦手な人のどちらも、その感覚を尊重されるべきです。


主な研究・参考資料

- 『Hearing Research』2026年1月号:ミソフォニアのトリガー音の音響的特徴に関する研究。
- 『Cognitive, Affective, & Behavioral Neuroscience』2026年4月14日:ミソフォニアと聴覚過敏の脳活動比較研究。
- 『Psychophysiology』2026年9月:聴覚・視覚・聴覚イメージに対するミソフォニアの生理反応研究。
- 『American Journal of Audiology』2026年9月11日:一般的な音嫌悪とミソフォニアの感情反応比較研究。
- 『Journal of Medical Internet Research』2025年7月29日:ASMR動画と脳活動・ストレスの関係に関する研究。
- Misophonia Consensus Committee、2022年:ミソフォニアの専門家合意定義。
- 英国NHS:聴覚過敏の症状と対処に関する医療情報(2026年5月改訂)。