【1】香取慎吾の絵はいつから?子どもの頃の落書きがアーティスト活動の原点
香取慎吾が絵を描き始めたのは、芸能活動を始めてからではない。本人のインタビューによると、絵との出会いは子どもの頃にまでさかのぼる。
2017年に掲載された『T JAPAN』のアトリエ取材では、小学生時代に校舎の絵を描き、美術の先生から色使いを褒められた経験を明かしている。この出来事が、絵を描くことの楽しさを意識した原体験として記憶に残っているという。
落書きから段ボール、そして大きなキャンバスへ

香取の創作活動を理解するうえで興味深いのは、最初から画家を目指していたわけではないことだ。
教科書やノートの隅に描いていた落書きが、机や壁へと広がり、やがて大きな作品へ発展していった。
2019年の『フィガロジャポン』のインタビューでは、子どもの頃の落書きから現在の制作まで、すべてが一本につながっていると説明している。
大きな絵を描き始めたのは、本人の説明では約10年前から。最初は紙や段ボールをキャンバス代わりに使っていた。専用の画材や制作環境を整えることよりも、描きたいという衝動を形にすることが先にあった。
また、2018年のインタビューでは、風景を写し取るよりも、自分の頭の中に浮かんだイメージを描いていると語っている。
この制作姿勢が、香取の作品に独特の自由さを与えている。
初期の代表的な活動と画集

香取の絵画活動は、個展が開催される以前から公の場に登場していた。
特に注目したいのが、1998年に出版された画集『しんごのいたずら』だ。初期のイラストをまとめた作品集で、現在につながるエネルギッシュな線や色使いを確認できる資料でもある。
その後も、舞台芸術や企業とのコラボレーションなど、さまざまな形で作品を発表してきた。
- 1997年: テレビ番組『SMAP×SMAP』の企画で、青森・津軽鉄道の車体に地元の子どもたちとペインティング。
- 1998年: 画集『しんごのいたずら』を出版。
- 2011年: シルク・ドゥ・ソレイユの公演『ダイハツ クーザ』のために絵画《宝箱》を制作。
- 2014年: 公演『ダイハツ オーヴォ』のためにオブジェ《空想たまご》を制作。
- 2017年: アトリエ取材を通じて、個人的に描き続けてきた多数の作品が紹介される。
こうした経歴から分かるのは、香取のアート活動が2018年のパリ個展をきっかけに突然始まったものではないということだ。
長年続けてきた創作が、個展という形で広く一般に公開されるようになったのである。
【2】香取慎吾の絵の特徴とは?作風・色彩・代表的なモチーフを分析

香取慎吾の絵を初めて見る人が驚くのは、その色彩の強さと表現の自由度だろう。
鮮やかな色を大胆に組み合わせ、人物、動物、架空のキャラクター、文字、記号などを画面に配置する。写実的な再現よりも、頭の中にあるイメージや感情をそのまま画面に定着させることに重点が置かれている。
その特徴は、大きく5つに整理できる。
① 鮮やかな色彩と大胆な筆遣い
香取の作品では、赤、黄色、青、緑など、視覚的なインパクトの強い色が印象に残る。
色を整然と配置するというより、異なる色を重ねたり、ぶつけたりすることで画面に勢いを生み出している。
一見すると明るく楽しい印象だが、作品によっては不安や孤独を感じさせる表現もある。
つまり、カラフルだからといって、すべてがポジティブな感情を表しているわけではない。
② 下描きに縛られない即興的な制作
2017年のアトリエ取材で香取は、制作場所や作業机を固定せず、下描きもせずに描き始めるスタイルを紹介している。
「下描きもしない。そこにキャンバスがあるから、描き始めるんです」
この発言から見えてくるのは、完成形を最初から設計するというより、描きながらイメージを発展させていく制作方法だ。
そのため、作品には計画的に整理された構図とは異なる、偶然性や勢いが生まれる。
③ ピエロや架空のキャラクター
香取の絵に登場するピエロも、重要なモチーフの一つだ。
本人は過去の作品に登場するピエロについて、自画像のようなイメージがあると説明している。
さまざまな表情を持つピエロは、人に見せる顔と内面の違い、多面的な自己を考える手がかりになる。
また、香取の作品には実在しないキャラクターや、不思議な存在を描いたものもある。
こうした空想上の存在は、香取の頭の中にある世界を視覚化する役割を担っている。
④ 段ボールや木材など素材への自由な発想
香取はキャンバスだけでなく、段ボール、ウッドパネル、オブジェなど、さまざまな素材を使って制作してきた。
素材の選択にも、形式にとらわれない姿勢が表れている。
特に段ボールは、大きな絵を描きたいと思ったときに身近にあった素材だったという。
作品を制作するために素材を探すというより、手元にあるものを使って表現を広げていく。この感覚が、絵画と立体作品の境界を越える創作につながっている。
⑤ 明るさの裏側にある内面表現
香取の作品を理解するうえで見落とせないのが、光と闇という二面性だ。
2019年の『BOUM! BOUM! BOUM!』や2022年の『WHO AM I』では、明るい色彩だけでは説明できない内面の表現も取り上げられた。
本人も、描いている最中には気づかなかった感情が、完成した作品を見たときに浮かび上がることがあると語っている。
描き終わった作品を眺めることで、自分自身の気持ちを知る場合もあるという。
この点が、香取の絵を単なるカラフルなイラストと区別する重要な特徴だ。
【3】香取慎吾の代表作と「くろうさぎ」の正体・作品に込められた意味
香取慎吾の作品を語る際、特に注目されるのが「くろうさぎ」だ。
個展『WHO AM I』では象徴的な存在として登場し、平面の絵画だけでなく立体作品としても展示された。
かわいらしいキャラクターに見える一方、誕生の背景には香取自身が語った「闇」のイメージがある。
「くろうさぎ」はどのように生まれたのか
2022年12月の『WHO AM I』開幕時のインタビューで、香取は「くろうさぎ」との出会いについて語っている。
本人の説明によれば、もともとは自宅に黒いうさぎがいるように感じ、その不思議な存在を絵に描いてみたところ、姿を見なくなったという。
それ以来、絵の中に「くろうさぎ」が登場するようになった。
ここで重要なのは、香取自身がこの存在を単なるかわいい動物として説明していないことだ。
本人は「くろうさぎ」との出会いを、自分の闇の部分に関係するものとして語っている。
また、正式な表記は漢字の「黒うさぎ」ではなく、ひらがなの「くろうさぎ」だと説明している。
「くろうさぎ」が象徴するもの
『WHO AM I』では、闇と光というテーマが展示の構成にも反映された。
くろうさぎは、香取の内面にある不安や影の部分を考える入り口になる存在だ。
ただし、作品の意味を一つに限定する必要はない。
本人のインタビューでは、制作やキャラクターの設定について、後から意味が加わっていくこともあると説明されている。
かわいらしさと不思議さ、親しみやすさと不穏さ。その相反する要素が同居するところに、くろうさぎの魅力がある。
また、立体作品として登場したことで、絵の中にいたキャラクターが鑑賞者と同じ空間に存在するという、新しい楽しみ方も生まれた。
香取慎吾の代表的な作品・モチーフ一覧
| 作品・モチーフ | 時期・背景 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 『しんごのいたずら』 | 1998年 | 初期のイラストをまとめた画集 |
| 《宝箱》 | 2011年 | シルク・ドゥ・ソレイユ『クーザ』のための絵画 |
| 《空想たまご》 | 2014年 | 『オーヴォ』公演のためのオブジェ |
| 『Lie ARIGATO』 | 2018年 | パリ個展で発表。感謝と自身の歩みを重ねた作品 |
| 『Zukin』 | 2018年 | パリ個展で発表された作品 |
| 「くろうさぎ」 | 継続的なモチーフ | 闇や空想と結びつく象徴的キャラクター |
| 『想ふ』 | 2021年 | 内面や人を思う気持ちを表現した作品 |
| 『WHO AM I』関連作品 | 2022年以降 | 光と闇、多面的な自己をテーマにした作品群 |
特にパリで発表された《Lie ARIGATO》は、香取のアーティストとしての歩みを考えるうえで興味深い作品だ。
約1.5メートル×4.5メートルという大きなペインティングで、SMAP解散後に画家へ転身するのではないかと報じられたことを逆手に取り、「ウソ」と「ありがとう」を重ねたタイトルが付けられた。
本人は、その報道があったからこそ現在の自分があり、パリに来ることもできたという趣旨を説明している。
この作品には、過去の出来事を否定するのではなく、新しい表現の機会へと転換する香取らしい発想が表れている。
【4】香取慎吾の個展歴を時系列で整理!パリから全国巡回まで
香取慎吾の個展は、開催場所や展示方法が毎回異なる点も大きな特徴だ。
単に絵画を並べるだけではなく、会場の構造や立体作品、音響、映像などを組み合わせ、鑑賞者が作品世界に入り込める空間をつくってきた。
ここでは歴代の主要な個展を振り返る。
① 2018年『NAKAMA des ARTS』|パリでの初個展
香取のアーティスト活動における大きな転換点となったのが、2018年9月の『NAKAMA des ARTS』だ。
日仏友好160年を記念した文化芸術事業「ジャポニスム2018」の公式企画として、パリのカルーゼル・デュ・ルーヴルにあるシャルル5世ホールで開催された。
- 開催期間:2018年9月19日~10月3日
- 開催地:フランス・パリ
- 会場:カルーゼル・デュ・ルーヴル、シャルル5世ホール
- 内容:絵画、オブジェ、ファッション、新しい建築とのコラボレーション
展覧会のコンセプトは、アートを通じて「NAKAMA」とつながること。
絵画だけでなく、香取が関心を寄せるファッションや建築も取り入れた展示だった。
この個展では100点を超えるペインティング作品が発表され、《Lie ARIGATO》などの作品も注目された。
重要なのは、香取が単に有名人として作品を展示したのではなく、以前から続けていた創作活動を国際的な文化芸術イベントの場で発表したことだ。
② 2019年『BOUM! BOUM! BOUM!』|360度回転する劇場を使った国内初個展
パリでの初個展に続き、2019年には日本国内初の個展『BOUM! BOUM! BOUM! 香取慎吾NIPPON初個展』が開催された。
会場は東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京。
この劇場の特徴は、客席が360度回転すること。鑑賞者が移動するのではなく、客席が回転することで異なる展示空間を体験できる仕組みだった。
開催期間は2019年3月15日から6月16日まで。
展示されたのは、20年以上前の作品から新作までを含む計126点。パリで発表した作品の凱旋展示に加え、新たに制作された作品も並んだ。
特に注目されたのが、香取自身の身体をテーマにした巨大なオブジェだ。
心音や身体に関する要素を取り込んだ展示は、絵画だけでは表現できない「香取慎吾という人間」を立体的に見せる試みだった。
本人が個展について、鑑賞者に自分の身体の中に入ってもらうような空間を目指したと説明している点も興味深い。
この展覧会によって、香取のアート活動は平面作品から空間全体を使った表現へと大きく広がった。
③ 2022~2024年『WHO AM I』|光と闇をテーマに全国6会場を巡回
2022年12月7日、東京・渋谷ヒカリエで開幕したのが『WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』だ。
『BOUM! BOUM! BOUM!』から約3年ぶりとなる個展で、展示作品は約200点に及んだ。
今回の中心テーマは「自分とは何者なのか」という問い。
香取は、さまざまな仕事や役割を持つ自分を客観的に見たとき、いったい自分は何者なのかと考えることがあると説明している。
その問いを、明るい側面と暗い側面の両方から表現した。
特に「くろうさぎ」は、展覧会の象徴的な存在として登場。従来の絵画に加えて立体作品も制作され、展示空間の中で存在感を放った。
巡回した会場は以下の6か所だ。
1. 東京:渋谷ヒカリエ(2022年12月7日~2023年1月22日)
2. 大阪:グランフロント大阪(2023年4月20日~6月18日)
3. 福岡:福岡市美術館(2023年7月1日~8月27日)
4. 石川:金沢21世紀美術館(2023年9月16日~10月15日)
5. 広島:NTTクレドホール(2023年12月16日~2024年1月21日)
6. 福島:とうほう・みんなの文化センター(2024年3月~)
地方会場では、その土地に合わせた作品や展示演出も注目された。
福島会場に関連する作品では、赤べこをモチーフにした表現が登場している。
香取は赤べこの歴史や、厄を払うとされる背景に興味を持ち、そこに「くろうさぎ」や龍のモチーフを組み合わせた。
このエピソードからも、香取の作品が単なる自己表現にとどまらず、地域の文化や歴史を取り込んで発展していることが分かる。
歴代個展の比較から見える変化
| 個展 | 開催時期 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| NAKAMA des ARTS | 2018年 | パリでの初個展。絵画・ファッション・建築との融合 |
| BOUM! BOUM! BOUM! | 2019年 | 国内初個展。360度回転劇場と身体表現 |
| WHO AM I | 2022~2024年 | 光と闇、多面的な自己。約200作品を全国6会場で展示 |
この3つの個展を比較すると、表現の方向性が段階的に広がっていることが分かる。
『NAKAMA des ARTS』では、アーティストとしての世界観を初めて大規模に提示した。
『BOUM! BOUM! BOUM!』では、鑑賞者を空間そのものに巻き込む演出に挑戦。
『WHO AM I』では、自分の内面や多面的な人格を作品の中心に据えた。
つまり、香取の個展歴は、絵画作品の発表から、空間表現、そして内面を掘り下げる総合的なアート体験へと進化してきた軌跡でもある。
【5】香取慎吾のアトリエと制作風景|どのように絵を描いているのか
香取慎吾の作品を見ていると、どのような環境で、どんな方法で制作しているのか気になる人も多いはずだ。
2017年の『T JAPAN』や2019年の『WWDJAPAN』のインタビューでは、制作環境や作品の保管について興味深い情報が紹介されている。
アトリエにはキャンバスや段ボール、作品が並ぶ
『T JAPAN』が紹介したアトリエには、キャンバスや段ボール、ウッドパネルなどが立てかけられ、壁にも多数の作品が飾られていた。
一般的な画家のアトリエというより、さまざまなアイデアや作品が集まった創作空間という印象だ。
香取は、制作場所や机を決めず、そのとき手元にある素材から描き始めることがあると説明している。
また、本人はアトリエと呼ぶ場所を複数使い分けて作品を保管していることも明かしている。
絵を描くときは頭の中のイメージが出発点
2019年の『WWDJAPAN』のインタビューでは、作品のモチーフについて、風景を見て描くのではなく、頭の中にあるイメージを形にしていると説明している。
描きたいものが次々と浮かんでくるため、絵として表現しなければ頭の中に詰まってしまう感覚があるという。
完成した作品を見て、初めて自分の気持ちに気づくこともある。
これは、作品を作る行為そのものが自己理解につながっていることを示している。
鉛筆画からアクリル画まで幅広い表現
香取の作品は、鮮やかなアクリル画だけではない。
2019年には、ブログ『空想ファンテジー』で空想上のキャラクターを描いた鉛筆画を発表していた。
本人によると、作品によっては15分ほどで描き上げることもあり、途中で制作を止めて後日続きを描く場合もある。
このように、制作時間や手法は一律ではない。
大きなキャンバスに向かうときもあれば、ノートに描くような感覚で鉛筆を走らせることもある。
香取のアート活動を理解するには、完成した大作だけでなく、こうした日常的な創作の積み重ねにも注目したい。
【6】2026年最新|香取慎吾がオルセー美術館展のアンバサダーに就任
2026年の香取慎吾のアート活動における大きなニュースが、9月28日に発表された美術展アンバサダーへの就任だ。
対象となるのは、東京都美術館開館100周年記念「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」。
香取が美術展のアンバサダーを務めるのは今回が初めてとなる。
「いまを生きる歓び」はどんな展覧会?
本展は、パリのオルセー美術館が所蔵する作品を紹介する大規模な展覧会だ。
東京都美術館開館100周年記念
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年11月14日~2027年3月28日 |
| 会場 | 東京都美術館 |
| 場所 | 東京・上野公園 |
| アンバサダー | 香取慎吾 |
| 展示作品 | 約110点 |
| 主なジャンル | 絵画・彫刻・工芸・写真 |
| テーマ | いまを生きる歓び |
展覧会では、オルセー美術館のコレクションから約110点を紹介する。
主な注目作品は以下のとおり。
- ジャン=フランソワ・ミレー《落穂拾い》
- フィンセント・ファン・ゴッホ《星月夜》
- ポール・ゴーガン《アレアレア》
公式展覧会情報によると、《落穂拾い》は23年ぶり、《星月夜》と《アレアレア》は16年ぶりの来日となる。
また、19世紀の人々が日常生活の中に見いだした幸せや、社会が大きく変化する時代を生きる姿を、全7編の構成で紹介する。
香取慎吾がアンバサダーに選ばれた理由
香取は2018年のパリ初個展以降、国内外でアート活動を続けてきた。
2019年には国内初個展、2022年からは全国巡回展を開催。絵画だけでなく、立体作品や空間演出にも取り組んでいる。
こうした経歴は、本展のテーマである「いまを生きる歓び」とも親和性がある。
就任時、香取は次のようにコメントしている。
「今はスマホひとつで、さまざまなものを楽しめる時代ですが、だからこそ、本物の作品を目の前にして感じるものがあると思います。」
このコメントは、デジタルで作品を鑑賞する機会が増えた時代だからこそ、実物の美術作品と向き合う価値があるという考えを示している。
香取自身も、作品を実際に見たときの感覚や、鑑賞者が自分なりの意味を発見することを大切にしてきた。
アーティストとしての経験を持つ人物が、今度は美術展の魅力を伝える側に立つことには、大きな意味がある。
2026年の活動で押さえておきたい注意点
ここで混同しやすいのが、今回のアンバサダー就任と香取自身の個展だ。
「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」は、香取慎吾の個展ではない。
展示されるのはオルセー美術館の所蔵作品であり、香取は展覧会のテーマや見どころを広く伝える役割を担う。
したがって、2026年の新しいニュースは、香取の新作個展開催が発表されたという話ではなく、これまでのアート活動を背景に、美術展アンバサダーという新しい立場を任されたということだ。
2026年10月29日時点では、展覧会はまだ開幕前。実際の展示は11月14日から始まる予定となっている。
【7】香取慎吾の絵はなぜ評価される?アート活動の本質と楽しみ方
香取慎吾の作品を理解するうえで重要なのは、芸能人が趣味で絵を描いているという見方だけでは捉えきれない点だ。
長年の制作活動、パリでの個展、国内での大規模展示、全国巡回展、そして2026年の美術展アンバサダー就任。
これらの実績をつなげて見ると、香取のアートは独立した表現活動として継続的に発展してきたことが分かる。
芸能活動とアート活動は別々ではない
香取は、俳優、歌手、タレント、アーティストなど、複数の分野で活動している。
一見すると、それぞれ異なる仕事に見えるが、本人の発言からは、歌やダンス、絵画を表現手段の一つとして捉えていることがうかがえる。
特に絵画は、テレビや舞台では見せにくい内面を表現する場にもなっている。
『WHO AM I』というタイトルが象徴するように、さまざまな顔を持つ自分自身を作品に投影しているのだ。
香取慎吾の絵が好きな人におすすめの鑑賞ポイント
作品を見るときは、次の3つを意識すると楽しみ方が広がる。
1. 色だけでなく、色の組み合わせを見る
鮮やかな色彩に目を奪われがちだが、異なる色がどのように重なり、どんな感情を生み出しているかにも注目したい。
2. くろうさぎやピエロの登場位置を探す
同じモチーフでも、作品によって印象は変わる。キャラクターがどこに配置され、周囲の色や人物とどのように関係しているかを見ると、新しい発見がある。
3. 明るい作品と暗い作品を比較する
香取の作品は、明るさだけでは説明できない。光と闇という対照的な表現を見比べることで、作品に込められた感情をより深く感じ取れる。
【プロの結論】香取慎吾の絵の本当の魅力は「完成された技法」だけではない
香取慎吾のアートを評価するとき、既存の美術ジャンルに無理に当てはめる必要はない。
彼の作品にはポップアートを連想させる色彩やキャラクター表現がある一方、個人的な感情を投影した作品や、空間全体を使ったインスタレーションもある。
その魅力の中心にあるのは、表現することへの自由さだ。
子どもの頃の落書きから始まり、段ボールに描いた大きな絵、パリでの個展、360度回転する劇場での展示、光と闇をテーマにした全国巡回展へと発展してきた。
この歩みは、アーティストとしての肩書きを先に手に入れたのではなく、描き続けた結果として表現の場が広がっていったことを示している。
また、鑑賞者にとっても、作品の意味を一つに決めつけず、自分の感情と照らし合わせながら見る楽しみがある。
専門的な美術知識がなくても入りやすい一方、何度も見返すことで違う印象が生まれる。その二面性こそ、香取の作品が幅広い層に届く理由の一つだ。
【香取慎吾の絵】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:香取慎吾はいつから絵を描いている?
A1:子どもの頃から描いている。小学生時代には校舎の絵を描き、先生から色使いを褒められた経験がある。初期の作品をまとめた画集『しんごのいたずら』は1998年に出版された。
Q2:香取慎吾の絵に登場する「くろうさぎ」の意味は?
A2:本人によると、くろうさぎは自分の闇の部分に関係する存在として生まれたキャラクター。絵に描くようになってから繰り返し作品に登場し、『WHO AM I』では立体作品にもなった。
Q3:香取慎吾の代表的な個展は?
A3:2018年のパリ初個展『NAKAMA des ARTS』、2019年の国内初個展『BOUM! BOUM! BOUM!』、2022~2024年の全国巡回展『WHO AM I』が代表的。展示方法やテーマがそれぞれ異なる。
Q4:香取慎吾の画集はある?
A4:初期の画集として、1998年に出版された『しんごのいたずら』が知られている。また、個展では多数の作品が展示されており、初期作品から近年の作品までをたどることができる。
Q5:2026年に香取慎吾の個展は開催される?
A5:2026年9月28日に発表された大きな美術関連ニュースは、東京都美術館で開催される「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」のアンバサダー就任。展覧会は2026年11月14日から2027年3月28日まで開催予定で、香取自身の個展とは異なる。
Q6:香取慎吾の絵の作風を一言で表すと?
A6:自由な色彩と大胆な線、空想的なキャラクター、内面を反映した表現が特徴。ポップな印象だけでなく、光と闇という対照的な感情を描く点も大きな魅力だ。
まとめ:香取慎吾の絵は進化を続ける。2026年以降のアート活動にも注目
香取慎吾の絵は、子どもの頃の落書きから始まり、長い年月をかけて独自のアート表現へと発展してきた。
1998年の『しんごのいたずら』、2018年のパリ初個展『NAKAMA des ARTS』、2019年の『BOUM! BOUM! BOUM!』、そして2022~2024年の『WHO AM I』。それぞれの活動を振り返ると、絵画だけでなく、立体作品や空間演出まで表現の幅を広げてきたことが分かる。
「くろうさぎ」をはじめとする独創的なモチーフには、かわいらしさだけでなく、本人の内面や光と闇というテーマも重ねられている。
そして2026年9月28日には、「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」のアンバサダー就任が発表された。
11月14日から始まる同展は、香取がこれまで積み重ねてきたアート活動を、より広い美術ファンへ届ける新しい機会となる。
香取慎吾の絵を見るときに大切なのは、作品に正解を求めすぎないことだ。 色彩、キャラクター、構図、そして自分が感じたことを自由に受け止める。その鑑賞体験こそが、香取のアートの大きな魅力なのである。
今後も個展で培った表現力をどのような形で発展させていくのか。アーティスト・香取慎吾の次の挑戦に期待したい。