旭琉會

目次


- 組織の正体: 旭琉會は沖縄県を主な活動範囲とする指定暴力団。2011年に沖縄旭琉会が四代目旭琉会を吸収する形で一本化した。
- 2026年の構成員数: 3月末時点で約200人。2025年の約210人から減少している。
- 2026年の会長交代: 4月に糸数真氏が死去し、6月に知念秀視氏が三代目会長に就任。9月には代表者変更が官報で公示された。

【旭琉會とは】沖縄県を拠点とする指定暴力団の正体

旭琉會

旭琉會は、沖縄県公安委員会によって指定されている暴力団組織である。読み方は「きょくりゅうかい」。本部は沖縄県北中城村に置かれている。

一般的なニュース記事では「旭琉会」と表記されることが多く、旧字体を使用した「旭琉會」も同じ組織を指す。表記が違うからといって、別々の団体が存在するわけではない。

指定暴力団とは何を意味するのか

旭琉會

指定暴力団とは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、いわゆる暴力団対策法(暴対法)に基づき、一定の要件を満たす団体として公安委員会から指定された組織を指す。

指定を受けると、所属する構成員による不当な金銭要求など、法律で禁止された行為に対して行政上の規制を適用できる。

具体的には、違法な暴力的要求行為などに対する中止命令や、再発防止命令といった措置がある。

ここで押さえておきたいのは、指定暴力団への指定が、構成員一人ひとりの犯罪を認定する刑事判決とは異なることだ。組織としての法的な指定と、個別事件における容疑・起訴・有罪判決は区別する必要がある。指定の効力は原則3年間で、公安委員会による審査と公示が行われる。

2025年には12回目の再指定

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2025年6月17日、沖縄県公安委員会は旭琉会を指定暴力団に再指定した。

これは12回目の指定で、効力は同月26日から3年間。沖縄県警が把握した構成員数は約210人だった。

2026年10月現在も、この指定期間内にある。したがって、2026年の会長交代は、指定暴力団としての法的な位置づけがなくなったことを意味しない。

【2011年の一本化】沖縄旭琉会と四代目旭琉会はなぜ統合したのか

旭琉會の成立を理解するには、2011年以前の沖縄県内の暴力団組織の歴史を振り返る必要がある。

沖縄県警の公開資料によると、沖縄の組織暴力団の源流は、戦後の混乱期に那覇やコザ(現在の沖縄市)を活動拠点として形成された不良グループにある。

1970年12月には「沖縄連合旭琉会」が結成された。その後、組織内の対立や再編を経て、沖縄旭琉会や二代目旭琉会、三代目旭琉会などへと名称と組織体制を変えていった。

1990年の分裂と第六次抗争

大きな転換点となったのが1990年の分裂である。

組織運営方針をめぐる対立を背景に、三代目旭琉会側から分かれる形で沖縄旭琉会が結成された。

その後、両組織の対立は第六次抗争へと発展。一般市民も巻き込む深刻な事件が相次ぎ、警察官や高校生が犠牲になるなど、沖縄社会に大きな影響を及ぼした。

沖縄県警の歴史資料では、県内の抗争事件は1961年から1990年までに計253回発生し、死者20人、負傷者114人に上ったと整理されている。これは第六次抗争だけの数字ではなく、県内で繰り返された抗争全体の記録である。

2011年11月27日の一本化は「対等合併」だったのか

2011年11月27日、分裂していた四代目旭琉会と沖縄旭琉会が一本化した。

ただし、国家公安委員会の2012年3月22日付説明資料を読むと、法的・組織的な整理には重要な違いがある。

資料では、四代目旭琉会が沖縄旭琉会に吸収され、消滅したものと認定されている。

そのため、四代目旭琉会の指定は取り消され、沖縄旭琉会が名称を「旭琉會」に変更する手続きが進められた。

つまり、一般的には「両組織の一本化」「合併」と説明されるものの、行政上は沖縄旭琉会による吸収と名称変更という形で整理されたのである。

2012年3月29日には、指定取消しと名称変更に関する官報公示が予定されていたことも同資料に記載されている。

この違いは、旭琉會の歴史を調べるうえで重要だ。単純に二つの組織が同じ立場で新組織を設立したと理解するより、当時の行政記録に沿って捉えるほうが正確である。

【歴代会長・組織の変遷】富永清から糸数真、知念秀視へ

旭琉會のトップ交代は、2011年の一本化以降、組織の動向を理解するための重要な指標となっている。

特に2019年の富永清氏の死去から2025年の糸数真氏の就任まで、正式な会長が不在だった期間があった。

その後、2026年には糸数氏の死去を受け、知念秀視氏が三代目会長に就任した。

歴代トップと主要な転換点

時期 人物・出来事 組織上の意味 2011年11月 富永清氏 一本化後の初代会長に就任 2019年7月 富永清氏が死去 会長不在の期間に入る 2022年2月 永山克博氏 暫定代表に就任 2025年2月 糸数真氏 二代目会長に就任 2026年4月19日 糸数真氏が死亡 沖縄市の事務所火災で死亡が確認される 2026年6月27日 知念秀視氏 三代目会長に正式就任 2026年8月31日 沖縄県公安委員会 代表者変更を官報で公示

初代会長・富永清氏

富永清氏は、2011年の一本化によって成立した旭琉會の初代会長である。

沖縄旭琉会を率いていた人物で、一本化後も組織のトップを務めた。

2019年7月に死去したことで、旭琉會は後継者選びという課題を抱えることになった。

暫定代表・永山克博氏

富永氏の死去後、会長不在の状態が続くなか、2022年2月には二代目照屋一家の永山克博総長が暫定代表に就任した。

この段階では正式な二代目会長の就任には至っておらず、暫定的な代表体制によって組織運営が続けられた。

二代目会長・糸数真氏

2025年2月、三代目富永一家の糸数真総長が二代目会長に就任した。

富永氏の死去から約5年半が経過しており、正式な後継体制が発足したことになる。

2025年6月の再指定時点では、県警が把握する構成員数は約210人だった。

三代目会長・知念秀視氏

2026年4月に糸数氏が死亡した後、組織は再びトップ交代を迎えた。

琉球新報の2026年6月28日付報道によると、6月27日に北中城村島袋の本部で会合が開かれ、二代目沖島一家の知念秀視総長が三代目会長に正式就任した。

さらに、8月31日には沖縄県公安委員会が代表者の変更を官報で公示。9月1日に報道された内容では、代表者は故糸数真氏から知念秀視氏へ変更されている。

ここで重要なのは、6月の就任と9月の公示は別の出来事だという点だ。前者は組織内の新体制発足、後者は暴対法に基づく行政上の代表者変更の公示である。

【構成員数・勢力範囲】2026年3月末の約200人をどう見るべきか

旭琉會の規模を把握するうえで、構成員数は重要な指標となる。

2026年4月21日の共同通信報道では、沖縄県警の情報として、同年3月末時点の構成員数は約200人と伝えられた。

過去の公表・報道数値と並べると、次のようになる。

時点 構成員数 情報の出典
2011年11月 約510人 国家公安委員会資料・旧沖縄旭琉会
2022年6月 約230人 再指定時の報道
2024年12月 約205人 暴力団追放沖縄県民会議
2025年6月 約210人 沖縄県警・再指定時
2026年3月末 約200人 沖縄県警情報・共同通信

※各数値は公表時点や集計基準が異なる。2011年の約510人は一本化後の旧沖縄旭琉会についての数字であり、2026年の数値と単純に同条件で比較することはできない。

構成員数は長期的に縮小

2011年の一本化直後に約510人だった構成員数と比較すると、2026年3月末の約200人は大幅に少ない。

ただし、2024年末の約205人、2025年の約210人、2026年3月末の約200人という近年の数字だけを見ると、毎年同じ割合で減少しているわけではない。

構成員数は、脱退、加入、逮捕、組織再編などによって変動する。単年度の増減だけで組織の実態を判断することは難しい。

勢力範囲は沖縄県が中心

国家公安委員会の2012年資料では、旧四代目旭琉会、旧沖縄旭琉会ともに勢力範囲は沖縄県内1県とされていた。

現在も旭琉會は沖縄県を主要な活動基盤としており、本部所在地は北中城村と報じられている。

構成員数が約200人になったからといって、活動の影響が構成員数だけで決まるわけではない。資金獲得活動や企業活動との接点、傘下団体の動向なども、県警が注視する対象となる。

【2026年最新動向】糸数真氏の死去から10月の摘発まで

2026年の旭琉會をめぐる動きは、会長交代だけではない。

沖縄県警による事件捜査、構成員の逮捕、暴対法に基づく行政措置など、組織の周辺では複数の動きが確認されている。

4月19日:沖縄市の事務所で火災

2026年4月19日午前、沖縄市諸見里にある集合住宅で火災が発生した。

現場となったのは、旭琉会四代目富永一家の事務所が入る建物の4階部分。火災で室内は全焼し、1人の遺体が発見された。

4月21日、沖縄県警は遺体が二代目会長の糸数真氏(71)と判明したと発表した。

司法解剖による死因は一酸化炭素中毒。県警は出火原因について調査を進めていた。

なお、火災による死亡と、その原因が事件性を持つかどうかは別の問題である。会長の死亡だけを根拠に、組織内抗争や他者による殺害があったと判断することはできない。

6月27日:知念秀視氏が三代目会長に就任

糸数氏の死去から約2か月後、知念秀視氏が新会長に就任した。

沖縄県警が組織の動向を警戒するなか、北中城村の本部で新体制発足に関する会合が開かれたことが報じられた。

2026年は、二代目体制から三代目体制へと移行した年として記録されることになる。

8月31日・9月1日:代表者変更が官報公示

沖縄県公安委員会は8月31日、旭琉会の代表者が糸数氏から知念氏に変更されたことを官報で公示した。

9月1日に報道されたこの発表によって、6月に発足した新体制が行政上の公示にも反映された。

暴対法第7条は、指定暴力団の代表者など公示事項に変更があった場合、その変更を官報で公示することを定めている。

10月:指定薬物エトミデートをめぐる摘発

2026年10月の新たな動きとして注目されるのが、指定薬物エトミデートをめぐる事件である。

九州厚生局は10月9日、沖縄麻薬取締支所と沖縄県警による合同捜査で、指定暴力団構成員によるエトミデート密売事件の検挙を発表した。

公表内容では、規制後の県内最大となる約300グラムのエトミデートが押収された。

この事件は、三代目沖島一家の構成員が関係した個別の薬物事件であり、組織全体の意思決定や関与が公的に認定されたという意味ではない。

ただし、暴力団構成員が関係する資金獲得活動の多様化という観点から、2026年の沖縄県内の組織犯罪情勢を考えるうえで見逃せない動きである。

【誤解しやすいポイント】旭琉會の表記・組織・事件報道の見方

旭琉會について調べると、似た名称や異なる年代の情報が混在している。特に注意したいのは、旧組織と現在の組織を混同することだ。

「旭琉會」と「旭琉会」は別組織なのか

基本的には同じ組織を指す表記違いである。

- 旭琉會:旧字体を使用した表記
- 旭琉会:新字体を使用した表記
- 沖縄旭琉会:2011年の一本化以前に存在した旧組織
- 四代目旭琉会:一本化以前の別組織

特に「沖縄旭琉会」と現在の「旭琉会」を同一時点に存在した別団体として扱わないことが大切だ。

会長交代と指定の更新は同じ意味ではない

会長が変わったからといって、指定暴力団としての指定が自動的に取り消されるわけではない。

2026年9月の代表者変更公示は、代表者に関する行政上の変更手続きである。

一方、指定の有効期間や再指定は別の法的手続きに基づく。旭琉会は2025年6月に12回目の再指定を受けており、2026年の会長交代後も指定暴力団として扱われている。

構成員数だけで組織の影響力を判断しない

約200人という数字は組織の規模を示す一つの目安である。

しかし、組織犯罪の実態を把握するには、構成員数だけでは不十分だ。傘下団体の活動、資金獲得に関係する事件、企業や公共工事との接点、行政命令の適用状況などを合わせて見る必要がある。

こうした情報を沖縄県警の発表、沖縄県公安委員会の公示、報道機関の取材内容に分けて確認することが、実態を正しく理解するための判断基準になる。

【旭琉會に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:旭琉會とは何ですか?

旭琉會は沖縄県を主要な活動基盤とする指定暴力団です。2011年11月27日に沖縄旭琉会が四代目旭琉会を吸収する形で一本化し、現在の組織となりました。

Q2:2026年現在の旭琉會の会長は誰ですか?

2026年10月30日時点では、三代目会長の知念秀視氏です。2026年6月27日に正式就任し、8月31日に沖縄県公安委員会が代表者変更を官報で公示しました。

Q3:旭琉會の構成員は何人ですか?

2026年3月末時点で約200人です。沖縄県警の情報として共同通信が報じています。過去の約510人という数字は2011年の旧沖縄旭琉会についてのもので、集計時点や組織の範囲が異なります。

Q4:旭琉會と沖縄旭琉会は同じ組織ですか?

2011年以前の沖縄旭琉会と、一本化後の旭琉會は歴史的な連続性があります。ただし、2011年には四代目旭琉会を吸収し、名称を変更するという組織再編が行われました。

Q5:旭琉會は現在も指定暴力団ですか?

はい。2025年6月17日に沖縄県公安委員会が12回目の再指定を行いました。有効期間は同月26日から3年間です。2026年10月時点でも指定暴力団としての指定が継続しています。


【プロの結論】旭琉會の2026年は組織の世代交代を示す転換点

旭琉會の歴史を振り返ると、1990年の分裂、2011年の一本化、2019年の富永清氏の死去、2025年の糸数真氏の会長就任、そして2026年の知念秀視氏への交代という大きな節目が確認できる。

特に2026年は、二代目会長の死去から三代目体制の発足、行政上の代表者変更公示までが同じ年に起きた。

一方、構成員数は2026年3月末時点で約200人とされ、2011年の旧沖縄旭琉会の約510人と比較して組織規模は縮小している。しかし、2026年には建設業務への違法派遣疑惑や指定薬物をめぐる摘発など、資金獲得活動や構成員に関係する事件も報じられた。

今後の動向を読み解くうえでは、次の3点が重要になる。

1. 新体制の定着: 知念秀視氏の三代目体制がどのように運営されるか。
2. 構成員数と傘下団体の変化: 約200人という規模が今後どのように推移するか。
3. 沖縄県警と公安委員会の対応: 暴対法の運用、資金獲得活動への捜査、暴力団排除対策がどう進むか。

旭琉會をめぐる問題は、単なる会長交代や組織の歴史だけではない。過去の抗争が地域社会に残した影響、企業活動への介入を防ぐ取り組み、暴力団排除の実効性など、沖縄の安全と社会経済に関わる問題でもある。

2026年10月時点で確認できる最大の変化は、約200人規模の組織において、糸数真氏の死去を経て知念秀視氏をトップとする三代目体制が正式に発足したことだ。 今後も会長人事だけでなく、警察の公表資料や行政上の指定・公示を継続的に確認することが、旭琉會の実態を正確に把握する鍵となる。