【代表作と歌唱力】モアナ役で評価された「どこまでも」の魅力
屋比久知奈さんの名前を広く知らしめた代表作が、2017年公開のディズニー・アニメーション映画『
主人公モアナの日本語版声優を務めただけでなく、劇中の重要な楽曲「どこまでも~How Far I'll Go~」も歌唱。声の演技と歌唱の両方を担うことで、作品の世界観を日本の観客に届けました。
この作品の日本語版では、マウイ役を尾上松也さん、タラおばあちゃん役を夏木マリさんが担当。屋比久さんは経験豊富な俳優たちとともに、作品の中心となるヒロインを演じました。
「どこまでも~How Far I'll Go~」で見せた歌唱表現

「どこまでも」は、モアナが自分の内側にある冒険への思いと向き合う重要な楽曲です。
屋比久さんは過去のインタビューで、この曲について、単に歌を上手に聴かせるのではなく、歌詞に込められた言葉や気持ちを丁寧に届けることを意識したと語っています。
英語のオリジナル楽曲を日本語で表現する場合、歌詞の文字数や音の流れが異なるため、意味を伝えながらメロディーに自然に乗せる工夫が必要です。屋比久さんの歌唱は、こうした翻訳版ならではの難しさにも向き合った表現といえます。
また、沖縄の海や風をイメージしながら歌ったというエピソードも紹介されています。出身地の自然環境が、海を舞台にしたモアナの世界を表現する際の感覚的な手がかりになっていたことがうかがえます。
『モアナと伝説の海2』でも続投

2024年12月6日公開の続編『
前作から約7年を経て、モアナはより多くの責任を背負う存在へと成長しています。続編では「ビヨンド~越えてゆこう~」など、新たな楽曲を通して、迷いや不安を抱えながらも前に進むモアナの心情を表現しました。
屋比久さん自身もインタビューで、新曲の繊細な音の動きや、日本語でオリジナルの表現に寄り添う難しさについて触れています。前作の歌唱をそのまま再現するのではなく、成長したキャラクターに合わせた表現が求められた作品でした。
2026年の実写版『モアナと伝説の海』にも参加

2026年7月31日に劇場公開された実写版『モアナと伝説の海』でも、屋比久さんは音楽面で作品に参加しています。
日本版エンドソング「旅立とう~Along The Way~」を、実写版モアナの日本語版声優を務めるTSUZUMIさん(ME:I)、マウイ役の尾上松也さんとともに歌唱しました。
ここで整理しておきたいのは、実写版のモアナ役そのものを屋比久さんが担当したわけではないという点です。実写版の日本語版モアナ役はTSUZUMIさんで、屋比久さんはアニメーション版モアナ役としての縁を生かし、エンドソングに参加しています。
アニメーション版のモアナから実写版の音楽企画へとつながったこの参加は、屋比久さんとディズニー作品との関係が一作限りではないことを示す出来事です。
【舞台俳優としての実力】レ・ミゼラブルのエポニーヌからミス・サイゴンのキムへ
屋比久知奈さんをディズニー作品の声優としてだけ捉えると、舞台で積み上げてきたキャリアを見落としてしまいます。
実際には、映画デビュー後もミュージカルの舞台に継続して出演し、海外発の大型作品から日本発のオリジナル作品まで、幅広い役柄に挑戦してきました。
『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役
屋比久さんの舞台キャリアを代表する役の一つが、ミュージカル『
2019年に初出演し、2021年にも同役を担当。さらに2024~2025年の公演でもエポニーヌを演じています。
エポニーヌは、報われない恋心や孤独を抱えながらも、他者への思いを貫く人物です。代表曲「オン・マイ・オウン」では、歌唱技術だけでなく、登場人物の内面を観客に伝える表現力が問われます。
屋比久さんは以前のインタビューで、初めて作品を観た際にエポニーヌという役が特に印象に残り、オーディションでもこの役を希望したことを明かしています。役への関心が出演につながった経緯も興味深いところです。
『ミス・サイゴン』では念願のキム役
もう一つの大きな代表作が、ミュージカル『
屋比久さんは2020年、2022年の公演でキム役を担当しました。キムは戦争によって人生を大きく変えられながらも、愛する人や子どものために生き抜こうとする女性です。
興味深いのは、このキム役が2016年の歌唱コンテストともつながっていることです。屋比久さんは当時、「命をあげよう」を歌って最優秀賞を獲得しました。つまり、舞台でキムを演じる以前から、同作品の音楽がキャリアの重要な出発点になっていたのです。
共演者の昆夏美さんとの対談でも、屋比久さんが以前から『ミス・サイゴン』のキムを演じたいと話していたことが紹介されています。憧れの役に実際に出演し、その後も再び演じる機会を得たことは、キャリアの中でも大きな意味を持つでしょう。
そのほかの主な舞台出演作品
エポニーヌやキム以外にも、屋比久さんは異なる人物像を持つ役に挑戦しています。
- 2017年:『肉の海』。オフィス3○○の40周年記念公演で、プロとしての初舞台を経験。
- 2019年:『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』シスター・メアリー・ロバート役。
- 2020年:『ミス・サイゴン』キム役。
- 2021年:『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役。
- 2022年:『ミス・サイゴン』キム役。
- 2023年:『ジェーン・エア』ジェーン・エア/ヘレン・バーンズ役、『ひげよ、さらば』星からきた猫役。
- 2024年:『VIOLET』ヴァイオレット役、『三銃士』コンスタンス役。
- 2024~2025年:『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役。
こうした出演歴から見えてくるのは、ディズニー作品で知られる歌声を武器にしながら、舞台では人物の心理や物語上の役割に応じて表現を変えてきたことです。
【2026年最新】白爪草・どろんぱ・ミス・サイゴンの出演情報
2026年の屋比久知奈さんは、舞台作品を中心に複数の話題作に参加しています。特に注目したいのが、1月の『白爪草』、春の『どろんぱ』、10月開幕の『ミス・サイゴン』です。
1. ミュージカル『白爪草』で双子の妹・白椿蒼を演じる
2026年1月8日から22日までSUPERNOVA KAWASAKIで上演された『白爪草』は、心理劇、サスペンス、音楽を組み合わせた2人ミュージカルです。
屋比久さんが演じたのは、双子の妹白椿蒼(しろつばき・あお)。共演者の唯月ふうかさんが双子の姉・白椿紅を演じました。
物語は、花屋で働く蒼のもとに、母親を殺した罪で服役していた姉の紅が戻ってくるところから動き出します。久しぶりに再会した姉妹が、母親の死をめぐる過去と向き合う密室劇です。
原案は2020年公開のサスペンス映画『白爪草』。音楽・歌詞をヒグチアイさん、脚本・歌詞原案を福田響志さん、演出を元吉庸泰さんが担当しました。
出演者が2人という限られた構成で、物語の中心を担う作品です。大人数の舞台とは異なり、表情や声のわずかな変化、相手役との緊張感が作品の印象を左右します。屋比久さんにとっても、人物の心理を細やかに表現する挑戦となりました。
2. 『どろんぱ』ではヒロイン・遠野爽子役
2026年春には、MOJOプロジェクト第2弾となるオリジナルミュージカル『どろんぱ』に出演しました。
屋比久さんが演じたのは、遠野爽子(とおの・さわこ)。小池徹平さん演じる烟々羅(えんえんら)と関わる人間の女性です。
物語では、爽子が行方不明になった娘を捜すため、神隠しの伝承が残る森へ足を踏み入れます。そこで出会うのは、時代の流れとともに人々から忘れられた妖怪たち。人間と妖怪が交差する幻想的な世界が描かれます。
作・演出は末満健一さん、作詞は森雪之丞さん、作曲・編曲・音楽監督は深澤恵梨香さん。ゲストコンポーザーとして和田唱さんも参加しています。
公演は東京と大阪の2都市で開催されました。
- 東京公演:2026年3月16日~29日、日本青年館ホール
- 大阪公演:2026年4月3日~7日、SkyシアターMBS
本作は、日本発のオリジナルミュージカルを世界に届けることを掲げるMOJOプロジェクトの第2弾です。海外の既存作品を日本語で上演する仕事とは異なり、日本の妖怪文化を題材にした新しい舞台世界を創り上げる点が特徴です。
3. 2026年10月『ミス・サイゴン』で再びキム役
2026年10月の大きな話題が、ミュージカル『ミス・サイゴン』への再出演です。
屋比久さんは、清水美依紗さん、ルミーナさんとともにキム役のトリプルキャストを務めています。2020年、2022年に続く出演で、今回が3度目のキム役です。
東京公演は2026年10月16日から11月29日まで。東宝が公開したキャストスケジュールでは、10月17日、19日、23日、25日、29日などに屋比久さんの出演が組まれています。11月にも出演予定日が設定されています。
その後は大阪、福岡、静岡、北海道へと全国公演が続きます。
| 公演地 | 会場 | 公演期間 |
|---|---|---|
| 東京 | 帝国劇場公演 | 2026年10月16日~11月29日 |
| 大阪 | 梅田芸術劇場メインホール | 2026年12月5日~17日 |
| 福岡 | 福岡市民ホール 大ホール | 2026年12月24日~27日 |
| 静岡 | アクトシティ浜松 大ホール | 2027年1月8日~11日 |
| 北海道 | 札幌文化芸術劇場 hitaru | 2027年1月17日~24日 |
※上記は作品全体の公演日程です。屋比久さん個人の出演日はキャストスケジュールで別途指定されています。
『ミス・サイゴン』は、ベトナム戦争下の愛と喪失を描く大作ミュージカルです。屋比久さんが再びキムを演じることは、初期の歌唱コンテストから続く作品との縁を考えても、象徴的な出来事です。
2026年10月30日現在、同公演は東京公演の上演期間中。これから観劇を予定している人は、作品の公演日だけでなく、屋比久さんがキムを演じる出演日を確認する必要があります。
【2026年の現在と今後】実写版モアナ・テレビ出演・10周年コンサート
舞台以外にも、2026年は屋比久さんにとってディズニー作品との新しい接点が生まれた年です。さらに、2027年のデビュー10周年に向けた大きな発表もありました。
実写版『モアナと伝説の海』のエンドソングに参加
2026年7月31日公開の実写版『モアナと伝説の海』では、TSUZUMIさん、尾上松也さんとともに日本版エンドソング「旅立とう~Along The Way~」を歌唱しました。
アニメーション版でモアナを演じた屋比久さん、実写版でモアナ役を務めるTSUZUMIさん、そしてアニメーション版・実写版双方でマウイに関わる尾上松也さんという組み合わせです。
また、2026年10月20日には、ファンクラブから『モアナと伝説の海2』が11月13日午後9時から日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されるとの案内も掲載されました。
映画館での新作公開、エンドソングへの参加、テレビでの続編放送と、モアナ関連の活動が2026年も続いています。
2027年3月にデビュー10周年記念コンサート開催
2026年9月17日、屋比久知奈さんの公式ファンクラブから、デビュー10周年記念コンサートの開催が発表されました。
タイトルは「Yabiku Tomona 10th Anniversary Concert ~On my way ここから新たに~」です。
開催地は故郷の沖縄と東京。全4公演が予定されています。
| 開催地 | 日程 | 会場 |
|---|---|---|
| 沖縄 | 2027年3月7日 | 琉球新報ホール |
| 東京 | 2027年3月20日 | Veats Shibuya |
| 東京 | 2027年3月21日・昼公演 | Veats Shibuya |
| 東京 | 2027年3月21日・夜公演 | Veats Shibuya |
沖縄公演は16時開演、東京公演は3月20日が17時、3月21日は13時と17時30分の開演予定です。
このコンサートで特に印象的なのは、開催地に沖縄が含まれていることです。大学時代に沖縄で活動していた屋比久さんが、映画デビューから10年という節目に故郷で公演を行うことには、キャリアを振り返る意味もあります。
なお、コンサートそのものは2026年ではなく2027年3月の開催です。2026年9月に開催が発表されたため、2026年の最新活動情報として注目されています。
2026年の活動をどう見るべきか
2026年の出演歴を整理すると、屋比久さんの活動は大きく3つの方向に広がっています。
第一に、『ミス・サイゴン』のような大型ミュージカルで、過去に演じた役を再び深める舞台活動。第二に、『白爪草』『どろんぱ』のような新しい作品で、これまでとは異なる役柄に挑戦する活動。第三に、実写版『モアナと伝説の海』のエンドソングなど、映像作品と音楽を結び付ける活動です。
単に出演作品の数を増やすのではなく、過去の代表作と新しい表現の両方を大切にしている点が、現在のキャリアの特徴です。
【プロの結論】屋比久知奈の本当の魅力は声優と舞台を横断する表現力
屋比久知奈さんのキャリアを振り返ると、2016年の歌唱コンテストでの最優秀賞、2017年の『モアナと伝説の海』でのデビュー、そして『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』への出演が、一つの流れとしてつながっています。
特筆すべきなのは、映画の吹き替えで知られるようになった後も、ミュージカルの舞台に継続して立ってきたことです。
声優としての仕事では、映像に合わせたセリフの表現や歌唱が求められます。一方、舞台では観客の前で人物の感情を連続して表現し、共演者と一緒に作品を成立させる必要があります。両方の現場で経験を積んできたことが、屋比久さんのキャリアを理解する重要なポイントです。
また、2026年の『白爪草』や『どろんぱ』では、ディズニー作品のモアナとは異なる人物を演じています。こうした出演作を比較すると、屋比久さんを一つのキャラクターだけで語ることが難しい理由も見えてきます。
これから作品を観る人には、次の3つの視点がおすすめです。
- 歌声を楽しみたい人: 『モアナと伝説の海』の「どこまでも」や『モアナと伝説の海2』を通して、歌詞と感情の表現に注目する。
- 舞台俳優としての実力を知りたい人: 『レ・ミゼラブル』のエポニーヌや『ミス・サイゴン』のキムなど、人物の心理を歌で表現する役を観る。
- 新しい表現を知りたい人: 『白爪草』『どろんぱ』など、物語や演出の異なるオリジナル作品を通して、役柄の幅を確かめる。
屋比久さんの今後を追うなら、2027年3月の10周年コンサートも重要な節目です。沖縄から始まった歩みが、どのような歌と舞台表現として結実するのか、引き続き注目したいところです。
【屋比久知奈のプロフィール・経歴】よくある質問(FAQ)
Q1:屋比久知奈の読み方は?
A1:屋比久知奈は「やびく ともな」と読みます。沖縄県出身の俳優・歌手です。
Q2:屋比久知奈の年齢と生年月日は?
A2:1994年6月6日生まれです。2026年10月30日現在、32歳です。
Q3:屋比久知奈はどこの大学を卒業した?
A3:琉球大学法文学部国際言語文化学科英語文化専攻を2017年3月に卒業しています。
Q4:屋比久知奈がモアナ役を演じた作品は?
A4:2017年公開の『モアナと伝説の海』と、2024年公開の『モアナと伝説の海2』です。2026年公開の実写版では日本版エンドソング「旅立とう~Along The Way~」に参加しています。
Q5:屋比久知奈の代表的なミュージカル作品は?
A5:『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役、『ミス・サイゴン』のキム役が代表的です。2026年には『白爪草』『どろんぱ』にも出演しました。
Q6:屋比久知奈の10周年コンサートはいつ?
A6:2027年3月7日に沖縄の琉球新報ホール、3月20日・21日に東京のVeats Shibuyaで開催予定です。全4公演が発表されています。
まとめ:屋比久知奈は2027年の10周年に向けて新たなステージへ
屋比久知奈さんは、沖縄県出身、琉球大学卒業という経歴を持ち、2017年の『モアナと伝説の海』で全国的に知られるようになった俳優・歌手です。
しかし、その活動はディズニー作品だけにとどまりません。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ、『ミス・サイゴン』のキムなど、舞台で重要な役を重ね、2026年には『白爪草』『どろんぱ』という新しい作品にも挑戦しました。
2026年10月現在は『ミス・サイゴン』のキム役で出演中。さらに2027年3月には、沖縄と東京でデビュー10周年記念コンサートが開催されます。
映画で彼女の声を知った人も、舞台での演技や歌唱を知ることで、また違った魅力を発見できるはずです。モアナ役で始まったキャリアが、10周年を迎えてどのような新しい表現へ進んでいくのか、今後の活動から目が離せません。