【徹底分析】嫌いなCMに共通する5つの特徴とは?

目次

ランキングを横断すると、視聴者が不快に感じる広告には、いくつかの共通点がある。

単に出演者が嫌いだからという理由だけではない。音の刺激、放送頻度、演出のわかりにくさ、商品との相性、企業への信頼感など、複数の要因が重なって嫌悪感につながっている。

1. 大音量や突然の叫び声で驚かせる

嫌いな cm

嫌われるCMの代表的な特徴が、突然音量が上がる演出だ。

2025年の調査では、bitbankの村上信五出演CMや楽天モバイルのCMについて、音が大きい、突然叫ぶので驚くといった不満が紹介された。

CMは番組の途中に突然挿入されるため、視聴者は必ずしも画面に集中していない。家族との会話中や、就寝前のリラックスした時間に大きな音が流れれば、商品への関心よりも驚きや不快感が先に立つ。

特にテレビの音量を一定にしている家庭では、CMだけが過剰に強く感じられることもある。

2. 同じ台詞や歌を何度も繰り返す

嫌いな cm

耳に残るフレーズは、広告制作における重要な手法だ。

しかし、同じフレーズを繰り返すことと、好感を持たれることは別問題である。

めちゃコミックの高畑充希出演CMは、楽曲を口ずさむ演出と放送頻度が不満につながった事例として紹介された。

2026年のモヤるCMランキングでも、Uber Eatsの角田晃広が繰り返す「え!」というリアクションが騒がしいと指摘されている。

広告主にとっては記憶に残る演出でも、視聴者にとっては何度も聞かされる負担になる。

一度聞けば覚えられるフレーズも、短時間に何度も聞けばストレスに変わる。

3. 商品と出演者・演出のイメージが合っていない

嫌いな cm

視聴者は、商品だけでなく、その広告に登場する人物や世界観も見ている。

2025年のプレミアム・モルツ「プレモル子ちゃん」では、大人になった『ちびまる子ちゃん』の登場人物を実写化した配役について、原作のイメージと違うという意見が紹介された。

2026年のヤクルトのCMでも、山田孝之の外見と健康的な飲料のイメージが合わないという反応が取り上げられた。

ここで重要なのは、出演者の人気と広告の適性は別の評価軸だということ。

人気俳優を起用しても、商品と人物のイメージがかみ合わなければ、広告全体の説得力が弱くなる。

4. 何を伝えたいのかわからない

シュールな演出や奇抜な映像は、SNSで話題になる可能性がある。

しかし、視聴者が商品やサービスの特徴を理解できなければ、広告としての目的がぼやけてしまう。

2025年のカップヌードル「叫ぶおじさん篇」や、2026年のAmazonの雨の中のマスカラ篇は、演出の意図がわかりにくいという反応が紹介された作品だ。

広告に必要なのは、必ずしもわかりやすいストーリーだけではない。ただし、映像の奇抜さが商品情報を覆い隠してしまうと、視聴者は困惑しやすい。

5. 企業の過去のイメージと広告内容が食い違う

出演者や演出に問題がなくても、企業そのものへの不信感がCMの評価に影響する場合がある。

2026年のWECARSのCMは、旧ビッグモーターをめぐる問題を視聴者が連想した事例として紹介された。

企業が新しい広告で信頼回復を訴えても、過去の出来事を知る視聴者にとっては、そのメッセージを簡単に受け入れられないことがある。

広告の印象は、映像の中だけで完結しない。企業の行動や社会的な背景も、視聴者の評価に影響する。

2026年の調査が示す「音」の二面性

2026年9月1日、株式会社オトナルの研究プロジェクト「Otonal Audio LAB」は、テレビCMと音に関する調査結果を公表した。

調査では、15~69歳の男女1万人にスクリーニング調査を実施し、週1回以上テレビを見る600人を対象に詳細な調査を行っている。

注目すべき数字は次のとおりだ。

- テレビCM放送中のながら視聴は約8割。
- スマートフォンやタブレットを見る人は29.5%。
- 家事やトイレなどで席を外す人は20.5%。
- 特定の音をきっかけにテレビ画面を見る人は約6割。
- 好きな有名人や声優の声が視線を向けるきっかけになる人は44.2%。
- 企業のオリジナル楽曲がきっかけになる人は42.9%。

さらに、広告にストレスを「よく感じる」割合は、テレビCMが23.2%、YouTube広告が39.5%だった。

この結果は、音が広告の認知を高める一方、使い方によっては視聴者の負担にもなるという構造を示している。

つまり、音そのものが悪いのではない。音量、タイミング、反復のさせ方が広告体験を左右する。

【出演者別に検証】LE SSERAFIMのIndeedと高畑充希のめちゃコミックはなぜ話題になった?

嫌いなCMを語るうえで、2025年に注目された2つの事例がある。

それがLE SSERAFIM出演のIndeedと、高畑充希出演のめちゃコミックだ。

どちらも出演者の知名度や広告の露出が高い一方、視聴者からは演出に対するさまざまな反応が寄せられた。

LE SSERAFIMのIndeed CM:会話が聞き取りにくいという不満

韓国の5人組ガールズグループLE SSERAFIMは、2024年11月からIndeedのイメージキャラクターを務めている。

2025年7月からは、メンバーが日本各地を訪れ、雑談や観光を楽しみながら「仕事探しはインディード」というおなじみのフレーズを歌うシリーズが展開された。

しかし、週刊女性PRIMEが2026年1月に紹介した女性1000人の調査では、このCMが苦手部門の1位となった。

主な不満は次のとおり。

- メンバー同士の会話が聞き取りにくい。
- 何を話しているのか理解しにくい。
- 誰が出演しているのか知らない視聴者には、広告の意図が伝わりにくい。
- K-POPに関心がない層には、演出がなじみにくい。

特に問題となったのは、歌やキャッチコピーではなく、会話を挟んだ演出だった。

IndeedのCMは、サービス名を覚えてもらうための反復型広告としての特徴を持つ。しかし、視聴者が会話の内容を理解できないと、商品情報よりも聞き取りにくさが印象に残ってしまう。

なお、記事掲載時にはジャルジャルなどが出演するCMに変わっており、こちらは好評と紹介されていた。

これはLE SSERAFIMのメンバー個人の能力や評判を示すものではなく、広告の演出と視聴者層との相性を考える事例だ。

高畑充希のめちゃコミックCM:歌声と繰り返しが評価を分けた

2025年の嫌いなCMランキングで1位に入ったのが、俳優・高畑充希が出演するめちゃコミックの広告だった。

CMでは、ゲスの極み乙女の楽曲「ロマンスがありあまる」を高畑充希が口ずさむ演出が使われていた。

SmartFLASHの記事では、歌声のかすれが気になるという意見や、夜間に繰り返し放送されることで歌声が頭から離れなくなるという反応が紹介された。

この事例のポイントは、楽曲の知名度と広告への好感度が必ずしも一致しないことだ。

覚えやすい曲を使えば、商品名やサービスを記憶してもらいやすくなる。しかし、歌声やアレンジが視聴者の好みに合わなければ、繰り返し流れるほど苦手意識が強まる可能性もある。

また、高畑充希は2025年の女性1000人調査でも、三菱地所のCMが3位、ケンタッキーフライドチキンのCMが5位に入っている。

ただし、これは出演者本人の人気を直接測ったものではない。作品ごとの台詞、歌い方、演出、商品との相性を含めた評価として受け止める必要がある。

CM出演者の評判と作品の評価は分けるべき

嫌いなCMランキングでは、人気俳優や好感度の高いタレントが出演する作品も上位に入っている。

これは珍しい現象ではない。

広告制作では、知名度の高い出演者を起用することで注目を集める効果が期待できる。一方、出演者のイメージが強すぎると、商品よりも人物や演出ばかりが印象に残る場合がある。

視聴者が苦手と感じる理由も、次のように分けて考えられる。

- 出演者そのものへの好み。
- 役柄や台詞への違和感。
- 歌や声の演出への不満。
- 商品とのイメージの不一致。
- 広告の放送頻度への不満。

この区別をしないまま「出演者が嫌われている」と結論づけるのは正確ではない。

【CM炎上・打ち切りの真相】放送されなくなった広告とその背景

CMが炎上すると、すぐに「放送中止になった」「企業が謝罪した」といった情報が広がることがある。

しかし、視聴者からの批判、広告の放送終了、企業による正式な取り下げは、それぞれ異なる出来事だ。

あののライフカードCM:画面の揺れが問題に

2025年に話題となったのが、タレントのあのが出演するライフカードのCMだ。

壁の前に立ったあのが身体を左右に揺らす動きに合わせて、画面全体も大きく揺れる演出が使われていた。

これに対し、画面を見ていると酔う、気分が悪くなるといった反応が紹介され、広告を不快に感じた視聴者から運営会社にも否定的な意見が寄せられたという。

週刊女性PRIMEの記事によれば、当時のCM担当者は取材に対し、放送中止を考えていないと説明していた。一方、同記事では、2025年9月中旬にはCMが放送されなくなっていたと報じられている。

この経緯から、少なくとも放送状況が変わったことは確認できる。ただし、正式な契約解除や企業による公式な打ち切り発表と同一視することはできない。

IndeedのCMも出演者変更が話題に

LE SSERAFIMのIndeed CMについても、苦手という声が集まった後、別の出演者による広告が紹介されている。

週刊女性PRIMEの記事では、ジャルジャルなどの出演するCMに変わり、好評だったと説明されている。

ただし、これも視聴者の批判だけを理由に契約を打ち切ったと断定できるものではない。

広告にはもともとキャンペーン期間や契約期間があり、企業の販売戦略に応じて出演者や演出が変わる。

そのため、CMの変更だけで炎上による処分と判断するのは早計だ。

JAROの苦情データから見える広告問題

公益社団法人日本広告審査機構(JARO)が公表した2024年度の審査状況も参考になる。

2024年度の総受付件数は1万796件で、そのうち苦情は8450件だった。

ただし、この数字にはテレビCMだけでなく、インターネット広告やその他の広告に関する相談も含まれる。

媒体別ではインターネットの苦情が増加し、テレビの苦情件数は前年比88.2%となった。

また、繰り返し表示される広告や、非表示操作をしても表示され続ける広告への不満も報告されている。

JAROのデータは、視聴者が感じる不快感がテレビCMだけの問題ではないことを示している。

広告の内容だけでなく、表示方法や接触頻度も消費者の評価に関わっている。

【歴代ランキングを検証】昔の嫌いなCMと2026年の違い

嫌いなCMの傾向は、時代によって変化している。

2025年の調査について、週刊女性PRIMEの記事では、以前はauの三太郎シリーズ、ソフトバンクの白戸家、宝くじの兄弟シリーズなど、長期展開されるCMも好き嫌いのランキングに入っていたと紹介されている。

こうしたシリーズ型のCMは、出演者やキャラクターへの親しみが生まれやすい反面、長期間の放送によって飽きられることもある。

一方、2025年から2026年にかけての調査では、次のような不満が目立つ。

- 商品より出演者の個性が前面に出る。
- 音や台詞の刺激が強すぎる。
- 原作や企業のイメージと演出が一致しない。
- 広告を見ても商品の魅力が伝わらない。
- 過去の企業イメージが広告の評価に影響する。

特に2026年のランキングでは、WECARSや高須クリニックのように、広告そのものだけでなく、企業や出演者を取り巻く社会的背景も評価に影響している。

昔は「何度も見るから飽きる」という不満が目立ったのに対し、現在は「なぜこの演出なのか」「企業は何を伝えたいのか」という納得感も問われている。

【プロの結論】嫌われるCMと記憶に残るCMの決定的な違い

広告制作の観点から考えると、視聴者に嫌われるCMと、好感を持たれるCMの違いは、単純なインパクトの強さではない。

重要なのは、視聴者の注意を引いた後に、商品や企業への好印象につなげられるかという点だ。

2025年の約1万5000人調査では、大音量や反復、歌声への不満が目立った。2026年のモヤるCM調査では、出演者と商品との相性、企業イメージ、演出の納得感なども問題になった。

これらを踏まえると、広告を評価する基準は次の4つに整理できる。

視聴者が好感を持ちやすいCMの条件

1. 音量と演出に適度な配慮がある

印象に残すことと、視聴者を驚かせることは違う。大音量や急激な音の変化に頼らず、自然に注意を引く工夫が必要だ。

2. 商品の魅力が明確に伝わる

出演者や映像が話題になっても、商品名やサービスの特徴が理解されなければ、広告の本来の目的を達成しにくい。

3. 出演者とブランドの世界観が合っている

人気だけでなく、商品を利用する人がどのようなイメージを持つかまで考慮する必要がある。

4. 繰り返し見てもストレスにならない

CMソングや決め台詞は有効だが、放送頻度や反復の仕方によっては逆効果になる。

嫌いなCMランキングを見るときの判断基準

読者がランキングを参考にする場合は、次の3点を確認すると情報の見誤りを防ぎやすい。

- 調査人数: 1000人の調査と1万5000人の調査では、結果の意味が異なる。
- 回答者の属性: 女性限定なのか、男女を対象にしているのか。
- 質問の内容: 「嫌い」「苦手」「モヤる」は同じ意味ではない。

特に、SNSで話題になったCMが必ずしも全国的に嫌われているわけではない点には注意したい。

逆に、ランキングに登場しないCMがすべて好評というわけでもない。

ランキングは視聴者の不満を知る手がかりであり、広告の品質を絶対的に決めるものではない。


【嫌いなCMに関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2026年の嫌いなCMランキング1位は何ですか?

2026年6月29日に週刊女性PRIMEが掲載した「モヤるCMランキング」では、高須克弥と松本人志が出演する高須クリニックのCMが1位となりました。全国の男女1000人を対象にした自由回答形式の調査です。

Q2:2025年に最も嫌われたCMは何ですか?

2025年7月の全国約1万5000人規模の調査では、高畑充希出演のめちゃコミックが1位でした。一方、女性1000人による2025年の苦手なCMランキングでは、LE SSERAFIM出演のIndeedが1位です。調査によって結果が異なります。

Q3:CMが嫌われる最大の理由は何ですか?

代表的なのは、大音量、同じ台詞や歌の繰り返し、過剰な放送頻度、商品と演出のミスマッチです。企業への不信感や出演者のイメージが影響することもあります。

Q4:嫌いなCMは炎上すると必ず放送中止になりますか?

必ずしもそうではありません。批判が集まっても放送が継続される場合があり、予定されたキャンペーン終了によって放送されなくなる場合もあります。炎上、放送終了、正式な打ち切りは区別する必要があります。

Q5:高畑充希のめちゃコミックCMはなぜ不評だったのですか?

2025年の調査では、歌声への違和感や繰り返し流れることへの不満が紹介されました。出演者本人の評価というより、楽曲の使い方や広告の放送頻度が評価を左右した事例です。

Q6:LE SSERAFIMのIndeed CMは本当に打ち切られたのですか?

2026年1月の週刊女性PRIMEの記事では、ジャルジャルなどが出演するCMに変わったと紹介されています。ただし、視聴者からの批判を理由に正式な契約解除や打ち切りが決定したと確認できる内容ではありません。

まとめ:嫌いなCMランキング2026からわかる広告の新しい評価基準

2026年のモヤるCMランキングと、2025年の苦手なCM・嫌いなCMランキングを比較すると、視聴者が不満を感じる理由には明確な共通点がある。

大音量やしつこい反復、意味が伝わりにくい演出、出演者と商品とのミスマッチ、企業イメージとの食い違いなどだ。

特に注目したいのは、2025年のめちゃコミックやIndeedの事例、2026年の高須クリニックやヤクルトの事例である。

これらは、知名度の高い出演者や強いインパクトだけでは、視聴者の好感を得られないことを示している。

また、2026年9月に公表されたオトナルの調査からも、音は視聴者の注意を引く重要な要素である一方、広告の長さや短期間の過剰な反復がストレスにつながることがわかる。

今後のCM制作では、単に目立つことよりも、適切な頻度で、心地よく、商品や企業の魅力を伝えることが求められる。

嫌いなCMランキングは、単なる不人気作品の一覧ではない。視聴者が広告に何を求め、何に違和感を覚えるのかを映し出す、広告業界への重要なヒントでもある。